|
曽我 豪記者(朝日新聞 政治部デスク)
すっごい接戦だったのね。
50対49。民主党が自民党に勝ったんだよね。
7月11日に投開票があった第20回参議院選挙(参院選)のことだね。どっちが上にいくのか、ぼくたちも真夜中までハラハラしたよ。
どんな選挙だったの?
参院選のしくみなどは前に一度勉強したけど、きょうは選挙の結果について話そうね。
民主党が躍進したが全体では与党が多数
「勝敗ライン」割った自民 衆院に続き二大政党化へ
|
|
 |
| 議席がのびなやみ、きびしい表情の小泉首相と当選を決めた候補者の名前にバラをつける民主党の岡田代表 |
ジャン 結局、自民党は負けたのよね?
――参議院議員の任期は6年で、3年に一度、半分ずつえらびなおす(改選する)という話は、この前したよね。参議院の定数はいま242だから、今回の参院選の総定数は121議席。自民党は51議席(欠員の鹿児島選挙区をふくむ)だったから、小泉首相や自民党幹部は、その「51」という数字を勝敗ラインにしていた。1議席の差だけど、今回は、負けといえそうだね。
ケン 民主党は?
――38から50議席に大幅にふやした。改選するのが全体の半分の議席とはいっても、野党(政治を動かす与党以外の党)が一番多く議席をとったのは、1989年の社会党(社民党の前身)以来なんだ。
ジャン でも、自民党は公明党といっしょに政治を動かしているのよね。
 |
【参院選】 3年に1度、議員の半数ずつをえらびなおす。今回の選挙では、議員定数242の半分の121議席をあらそった。選挙は都道府県ごとにひとりの候補者に投票する「選挙区」と、候補者か政党をえらぶ「比例区」の2種類がある。
今回の投票率(選挙区)の全国平均は、56.57パーセント。戦後3番目に低かった前回の2001年(56.44パーセント)とほぼ同じ水準だった。 |
――自民党と連立与党を組む公明党は1議席ふやして11議席となり、自民党と足すと60議席。今回の総定数の過半数(61)にとどかなかった。
ポン え? じゃあ、小泉さんやめちゃうの?
――ううん。やめるとはいわなかったよ。自民・公明の与党は、去年11月の総選挙(衆議院の選挙)で過半数の議席をとった。今回も、えらびなおさなかった非改選の議席を足すと139で、参議院全体の過半数(122)はこえた。だからすぐに政権が行きづまることはないと考えているんだね。
ジャン ほかの党はどうだったの?
――共産党は大変だった。選挙区で全敗して15議席から4議席にへった。社民党も比例区だけの2議席しかとれなかった。去年の総選挙で自民党と民主党がきわ立つ「2大政党化」が進んだといわれたけど、参議院でも同じ流れだね。
改革の成果問われる首相 早期総選挙求める民主党
ケン 小泉さんは支持率が高いと聞いていたけど。
――小泉政権は2001年4月に誕生した。内閣支持率が80パーセント前後という「小泉ブーム」が起きて、直後の7月の参院選で大勝した。「自民党をぶっこわす」というなど、それまでの自民党の首相らしくない「改革派」ぶりがうけたんだと思う。
ポン 人気者だったんだね。
――うん。でもだんだん道路や郵政の改革がはっきりしなくなったし、選挙の直前には国民の生活にかかわる年金の法律を、野党が反対するなかで強引に採決して成立させた。イラクでの多国籍軍に自衛隊を参加させることも、国会での議論なしで急に決めた。自分の厚生年金の問題が起きたときも「人生いろいろ」といいわけした。 以前は「はっきりものをいう人だ」と思われていたのが、「勝手で、いい加減な人だ」と有権者に印象づけてしまったのかもしれないね。
ジャン これから政治はどうなるのかなあ。
――小泉首相は、2006年秋に自民党総裁の任期が切れるまで、解散・総選挙は行わず、「小泉改革」を仕上げるといってきた。でも参院選で勝った民主党は、早く総選挙をやって国民の意見を聞け、ともとめる。「50対49」という今回の結果からすると、つぎの総選挙の後、自民党と民主党のどちらが政権を取るかわからなくなってくる。小泉首相が「改革」の原点を見つめ直して、国民の支持をとりもどせるか、むずかしいところだね。
(04年7月17日)
|