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長崎県佐世保市の事件

岩崎 生之助記者(朝日新聞佐世保支局)
ジャン

 長崎県佐世保市の小学校で、6年生の女の子がカッターナイフで切りつけられて亡くなった事件。本当にショックだわ。

岩崎 記者

 事件を起こしたのはクラスメートの女の子だった。小学校の中で、子どもが同級生を死亡させたとされるケースは初めてのことだよ。

ポン

 なんでそんなことになっちゃったの。

岩崎 記者

 そうだね。どうしてこんなに悲しい事件が起きたんだろう。みんなで考えてみようか。

 

 「命を大事にする」を改めて考えよう
 詳しい原因など知るため 女の子からまだ話を聞く

事件があった小学校の前には、亡くなった女の子の冥福をいのる花束がたくさんそなえられています

 ジャン 事件のことは新聞で読んだわ。事件を起こした加害者の女の子はいま、どうしているの。
 ――女の子はいま、長崎少年鑑別所という施設に送られて、両親とはなれて暮らしている。女の子の処分を決める家庭裁判所の人や、付添人の弁護士が会いに行って、事件のくわしい状況やいまの気持ちなどを聞いてるんだ。

 ケン ふたりは仲が悪かったの?
 ――事件の原因はまだはっきりわからないけど、インターネット上の書きこみが理由のひとつといわれている。加害者の女の子は、亡くなった女の子に「いやな書きこみをされたからやった」と話してるようなんだ。みんなはインターネットを使うの?

 ケン 使うよ。
 ジャン わたしも使う。世界中の人とメールできたり、何でも調べられたり。文字で会話する「チャット」も楽しいわ。
 ――そうだね。でも、パソコンの画面上では声や表情がわからない。文字と絵だけのやりとりになるからね。それだけに、ちょっとしたことばの行きちがいが、相手をすごくおこらせてしまうこともあるんだ。使い方には注意しなくちゃね。

 ジャン 加害者の女の子は、この後どうなるの。
 ケン テレビのドラマで見たことがあるよ。裁判所でいろいろ調べられて、有罪になったら刑務所に行って反省するんでしょう?
 ――それはおとなの場合だね。14歳未満の子どもは、たとえ人を殺してもおとなのように殺人罪などの刑事事件の責任を問われることはない。少年法や児童福祉法という特別な法律でその子をどうするかが決まる。悪いことをした子どもたちを立ち直らせて、もう一度社会できちんと生活できるようにするのが目的なんだ。
 おとなの裁判はだれでも見に行けるけど、20歳未満の少年の裁判(審判)は公開されない。顔や名前がみんなに知られると、少年の将来にとって都合がよくない、との配慮からなんだ。

 ポン じゃあ悪いことしてもおこられないの?
 ――今回のような事件で補導された14歳未満の子どもは、児童自立支援施設で生活しながら教育を受けることが多い。場合によっては部屋に鍵をかけて、自由に行動させないこともあるんだ。自宅にいながら立ち直りを目指す「保護観察」というのもある。加害者の女の子の審判は14日に始まり、約2か月間かけて、専門家の先生がこの子の心の状態を調べること(精神鑑定)が決まったんだ。どんな処分になるかはその後に決まる。

 ジャン たしか長崎県では、去年も中学生が起こした事件があったわ。
 ――幼稚園の子が中学生(当時12歳)に誘拐されて殺された事件だね。あの事件に衝撃を受けた長崎県では、子どもの成長を地域ぐるみでささえようという「ココロねっこ運動」に力を入れ始めた。あいさつや声かけをしっかりして、子どものなやみや変化にいち早く気づこうと努力していたんだ。その矢先のできごとだから、みんなショックを受けているよ。

 ケン むずかしいんだね。
 ――事件後、カッターナイフなど危険な学習用具を担任の先生が保管する、高知県教育委員会のように子どもの心のサインを見のがさないための点検票をつくる、といった対策をとっているところもある。でも、それだけで十分とはいえない。「命を大事にする」という当たり前のことを、ひとりひとりがもう一度考え直していかないとね。

(04年6月19日)


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