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杉井昭人記者(朝日新聞経済部)
ぼくの大好きな缶ジュースが、この間行ったスーパーでは「120円」になっていて、近くのコンビニで見たら「115円」だったよ。でも、はらうお金はどちらも120円だった。
そういえば、ママとデパートへ買い物に行ったとき、同じTシャツにふたつの値札がかかっていたけど……。
4月から、お店の商品やサービスの値段の表示方法がかわるんだ。いま、お店はその準備でいそがしいんだよ。
どんなふうにかわるの? そもそも、なんで表示の仕方をかえるの?
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前だおしで「総額表示」にした家電量販店。消費財分を値下げした商品もあります=神奈川県川崎市宮前区のノジマ東名川崎店で
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商品などの値段に消費税を合わせた価格
――お店で缶ジュースやTシャツを買ったり、床屋で髪を切ってもらったりすると、品物やサービスといっしょに、国の税金もはらうことは知っているよね。
ケン 「消費税」だね。たしか5パーセント。
――そう。これまで値札などは、税金分をぬいた商品やサービスの「本体」だけの値段(本体価格)を表示することがみとめられていた。でも、4月からは消費税と合わせた全体の価格、「総額」をしめさなければならなくなる。これを「総額表示」というよ。
ジャン どうしてそうするの?
――政府がそうしなさいと義務づけたからだよ。買い物をする人が税金をふくめて、全体でいくらはらえばいいか、ひと目でわかるようにするため、というのが理由だ。これまで値段の表示方法は店ごとにちがっていたので、統一した方がいいという意見は前から出ていたんだ。
ケン たしかにコンビニでお菓子を買おうとしたら、表示してある値段で足りると思ったのに、レジで足りなくてこまったことがあるよ。
――総額表示になれば、いちいち頭の中で5パーセント分を計算しなくてすむからね。さっきポンくんがいっていた缶ジュースだけど、スーパーのは税金をふくめた総額、コンビニのは税金をぬいた本体価格だよ。
ポン そうか。
ジャン デパートで、2種類の値札がついていたのは?
――きっと、総額表示にかわるのを理解してもらおうと、両方しめしたんだろうね。もう総額表示に切りかえているお店もあれば、31日の閉店後に切りかえるところもある。4月からはどこのお店も総額表示になるけど、表示方法はひと通りではない。
ポン えっ?
――総額しか表示しないところもあれば、総額と本体価格の両方を表示するところもあるなど、細かなちがいが出る。また、消費税の端数(小数点以下)をどうするかは店にまかされていて、本体が50円の鉛筆を10本買うと、店によっては10円の差が出る=イラスト参照。
ジャン 頭がこんがらがっちゃうわ。
――買う人も大変だけど、お店の人も大変なんだ。値札や値段を書いたシールをすべて取りかえなければならないし、レジの打ち方やレシートの書き方もかえなきゃいけない。あるコンビニチェーンでは、その費用だけで5億円近くかかるというよ。
ポン でも、ぼくらがはらうお金は、いままでとかわらないんでしょう?
――そうなんだけど、スーパーとかでは「98円」とか「298円」という数字をよく見るよね。これは、買う人に少しでも安く感じさせる工夫なんだ。そのまま総額表示にすると、「103円」「313円」になって、値上がりしたような気がしないかい。
ケン たしかに高くなった気がする。
――だから、税金分を値下げして「98円」の表示をつづけるスーパーもあるそうだよ。
ジャン 総額表示にすると、得することもあるのね。
――でもね、総額表示になることで、買い物のたびに自分で消費税をはらっているという意識がうすれるかもしれない。「政府が将来、消費税を引き上げるための準備ではないか」と見る専門家もいるんだ。総額表示になっても、値札やレシートを注意して見ようね。
(04年3月27日)
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