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「火星に水」ってすごいの?

村山知博記者(朝日新聞アメリカ総局)
ケン

 ねえねえ、ずっと昔、火星に水があったの?

村山記者

 おっ、アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査のニュースのことだね。探査車のオポチュニティーとスピリットの二台が、水があった「証拠」を見つけたんだ。

ジャン

 証拠って?

村山記者

 火星の岩の成分を調べたらね、水びたしになったときにしかできない特徴が見つかったんだよ。

ポン

 火星に水があったって、すごいことなの?

村山記者

 うん。きょうは火星探査について勉強しよう。

これからの火星探査のイメージ。火星の岩や土をとどけるために地球にむけとび立つ探査機。左は岩などを集めた探査車(イラストと写真はどれもNASA提供)

 生命が生まれていたかもしれないんだ

  ジャン 岩の成分の特徴って?

 ――一番の特徴は、塩がいっぱいふくまれていたことかな。料理に使う塩とはちょっとちがうよ。硫酸塩という特別な塩なんだ。水に溶けていた化学物質が、水がなくなるときに外に出て、塩として岩にのこったのさ。

 ケン なぜ、火星の水が大ニュースなの?

 ――水は生命の誕生にどうしても必要なものなんだ。35億〜40億年前に地球で最初の生命が生まれたのも海の中だったと考えられている。火星に水があったってことは、火星でも生命が生まれていたかもしれないってことなのさ。

 ポン えっ、火星人がいるの?

 ――それはないんじゃないかなあ。細菌のように、小さくて単純な生物だと思うよ。地球には水のほかに大気があるし、気温もちょうどいいから、長い時間かけていろんな動物や植物が進化できた。でも、火星の大気はとてもうすいし、気温も低すぎる。水も長いことのこっていたかわからないしね。

上の写真は、今回の探査でくわしく調べた火星の表面。厚さ1センチほどのうすい岩石が積み重なっています。左は、水があった証拠をしめす岩石の内部の拡大写真

 ケン 写真を見ると、いまの火星は砂漠みたいだものね。

 ――水がどこへ行ったかは、はっきりわかっていない。宇宙に蒸発したとか、地面にしみこんだとか、氷になったとか、いろんな意見があるけどね。いつごろ水があったのかもはっきりしない。

 ジャン これまで火星には水がないと思われていたの?

 ――いや、「ひょっとしたらあるかもしれない」といわれてたんだ。火星の表面には、水が流れたような跡や、地下から水がふき出したような跡がたくさんあるからね。

 ケン 探査機が火星に着陸したのは、今度が初めて?

 ――今回の探査車2台は3回目だよ。最初はバイキング1号と2号(1976年)。次はマーズ・パスファインダー(97年)。3回ともNASAが打ち上げたんだ。

 ポン 少ないね。

 ――火星に着陸するのはとってもむずかしい。去年もヨーロッパの探査機ビーグル2が行方不明になった。これまで10回も挑戦してるのに、3回しか成功していないんだ。

 ジャン 人間が行くのは無理ね。

 ――月へ行くのにくらべるとはるかにむずかしいのはたしかだね。地球と火星はもっとも接近したときだって5500万キロもはなれているんだ。月なら3日で着くけど、火星へは急いでも半年以上かかる。食べ物をいっぱい持っていかなきゃならないし、宇宙の放射線をさえぎらないと飛行士の命があぶない。

 ケン NASAも人間を火星に送るのはあきらめてるの?

 ――いや、アメリカのブッシュ大統領はことし1月、「月に基地をつくれば火星にも行ける」と演説した。

 ポン 準備は始まってるの?

 ――そこまではいっていない。NASAは、人間を火星にとばすより先に、無人の探査機や衛星を打ち上げて、最後は火星の岩や土を地球に持ち帰ろうと考えている。はっきり決まってないけど、10年後くらいかな。

 ケン 岩を持ち帰ってどうするの?

 ――岩そのものの成分や、岩の中に閉じこめられている空気などをくわしく調べるのさ。大昔の火星の環境がわかるからね。火星人とはいかないけど、微生物の化石が見つかるかもしれないよ。

(04年3月13日)


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