――――― 朝 小 お す す め 受 験 情 報 ―――――
 

 こどもアサヒ > ニュースDEジャンケンポン > ニュースDEジャンケンポン過去一覧

三位一体の改革ってなあに?

板垣 哲也記者(朝日新聞総務省担当
ジャン

 11月の終わりに「三位一体の改革」の全体像が決まったって新聞で見たけど、なあに?

板垣 記者

 国と地方の間のお金の流れをかえて、都道府県や市町村が自分たちの地域にあった仕事をしやすくしようとする改革のことだよ。

ケン

 それがなんで「さんみいったい」なの?

前多 記者

 補助金の削減、税源移譲、地方交付税の見直しの3つをいっぺんにやろうとしているから「三位一体」なんだ。くわしく説明しようね。

 地方が自由に使えるお金ふやすのだが…

国からの「補助金」へらし
地方が集める税金ふやす

  ――国から地方、つまり都道府県や市町村に配っているお金には、使い道や条件が細かく決められている「補助金」と、自由に使える「地方交付税」がある。都道府県や市町村はこのほかに、独自に地方税とよばれる税金を集めていて、これを全部合わせたものが地方の収入だ。
 ジャン 補助金はへらすと聞いたわ。地方は収入が少なくなってこまらないの?
 ――へらしたままだとそうなるね。ただ、補助金をなくしたりへらしたりする場合には、同じ額だけ地方にお金が入るように「税源移譲」というのをやる。税金を集める権限を、地方へもっとゆずりわたす(移譲する)わけだね。そうすると、地方は自由に使えるお金がふえる。補助金をへらすのと、この税源移譲をセットでやる点が、今回の改革のポイントなんだよ。
 ポン そうするとどうなるの?

国と地方の話し合いの場に出席した、全国知事会会長の梶原拓・岐阜県知事ら(写真左)と、細田官房長官ら(写真右)=11月26日、首相官邸で

 ――地方が自由に使えるお金がふえるわけだから、地方は国にしばられないで自分たちでいろんな工夫ができるようになる。全国知事会などは20兆円の補助金のうち、2006年度までに3.2兆円の補助金をなくして、3兆円を税源移譲するようにもとめた。でも、補助金を出す中央省庁や各省庁とむすびつきが深い自民党の議員(族議員)たちが、補助金の廃止には強く抵抗したんだ。
 ケン どうして?
 ――地方の自由にさせたら、本来、必要なことにお金が使われなくなるんじゃないかという不信感があるのが大きい。最後までもめた義務教育費の問題では、文部科学省や、自民党の中でも文科省とつながりの深い議員たち(文教族)が、小・中学校の先生の給料の半分を国が補助する仕組みを守らないと、地域によって教育水準にばらつきが出るといって抵抗した。

義務教育費を移すことや
地方交付税の扱いに宿題

 ジャン でも、都道府県の知事さんたちだって選挙でえらばれるんだから、そんなにひどいことはできないと思うけど。
 ――住民が監視役になるという考え方だね。中央省庁や族議員が反対する本当の理由は、補助金がなくなると地方への影響力が弱くなるんじゃないかとおそれているからだ、と地方側はみている。

三位一体改革
 @国から地方自治体(都道府県や市町村)への補助金をへらす
 Aこれまで国に入っていた税金の一部を地方にゆずる
 B国が地方の財政をおぎなうために分けている地方交付税を見直す
 この3つをいっしょに進めるので「三位一体」

 今回の問題について政府は、地方の代表と話し合う場をつくった。小泉首相が「どの補助金をなくすか地方から案を出してもらおう」といい出したのがきっかけなんだけど、首相がこんな提案をすること自体、中央省庁や族議員にまかせていたら、いつまでも改革が進まないということを物語っているともいえる。
 ケン じゃあ、今回は小泉さんの作戦勝ちだ。
 ――そうともいえない。中央省庁や族議員が強く抵抗したため、税源移譲は3兆円の目標にとどかなくて2.4兆円にとどまった。注目されていた義務教育費の問題も、地方がもとめていたように国の補助を「廃止」して完全に地方へうつすのか、国が出す割合をへらすだけにするのか、結論はおあずけになった。
 ジャン 「三位一体」のふたつ、補助金の削減と税源移譲はわかったけど、後のひとつは?
 ――地方交付税の改革。国は、地方の収入のたりない分を地方交付税というお金を配って調整しているんだ。でも、いまは国もお金がたりなくてこまっている。財務省は地方交付税をけずりたいんだけれど、それだと地方は収入が少なくなってしまう。今回もそこはちゃんと結論が出なかった。
 ケン 宿題がいっぱいのこったんだ。

(2004年12月11日)

 


朝日学生新聞社のホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての著作権は朝日学生新聞社に帰属します