――――― 朝 小 お す す め 受 験 情 報 ―――――
 

 こどもアサヒ > ニュースDEジャンケンポン > ニュースDEジャンケンポン過去一覧

京都議定書って何?

石井 徹記者(朝日新聞生活部
ジャン

 最近ニュースで「京都議定書」っていうことばをよく聞くけど、たしか地球温暖化に関係あったよね。

石井 記者

 そう。地球があつくなりすぎないように世界中の国がした約束のことだよ。ロシアがくわわることで、来年にもスタートすることになったんだ。

ポン

 ギテイショ? オンダンカ?

ケン

 よくわからないよ。

石井 記者

 ごめん、ごめん。まず温暖化から説明しようか。

 地球温暖化をふせぐための国々の約束

ロシアがくわわることで
やっと来年スタート

 ジャン 温暖化って地球の気温がどんどん上がることよね。二酸化炭素(CO2)が関係しているって勉強したわ。

 ――そう。地球は太陽からのエネルギーであたためられているんだけど、その熱を空気中の二酸化炭素などがつかまえて地球をつつみこんでいる。セーターみたいな役目だね。これを「温室効果ガス」っていうんだ。

北極にちかいベーリング氷河の先端(せんたん)。とけ出した氷が巨大な湖をつくっている=1997年7月、ヘリコプターから撮影

 ケン 二酸化炭素もいいことしてるんだ。

 ――もちろん。二酸化炭素は人間もふくめ動物がはく息の中にもあるし、植物は二酸化炭素をすって酸素を出している。だけど、車を走らせるガソリンや電気をつくる石油や石炭なんかを燃やすときに出る二酸化炭素は、すごく多くて空気中にたまってしまうんだ。セーターを何枚も重ね着する感じかな。

 ポン 暑くなるね。クーラーをつければいいんじゃないの?

 ――クーラーをつけると電気を使う。その電気を火力発電所でつくるときに二酸化炭素が出て、もっと温暖化が進むよね。科学者たちの研究では、百年後には地球全体の平均で五・八度上がるかもしれないという予測もあるんだ。

 ケン どうなっちゃうの?

 ――まず南極や北極の氷がとけ出して海面が上昇して家が水につかったり、農業や漁業が影響を受けて食料がへったりするおそれがある。それに雨がふりすぎて洪水になったり、ふらなくて干ばつになったり、台風の被害がふえたりといった異常気象も予想されている。場所によっては寒くなる国もあるというよ。だから「地球温暖化」は本当は、気候がかわってしまう「気候変動」というのが正しんだ。

 ケン なんとかしなくちゃ。

 ――そこで、ちょうどみんなが生まれたころの1992年に、世界中の国の人たちが集まって国連で、温室効果ガスが多くなりすぎないようにするための約束「気候変動枠組み条約」を決めた。日本やアメリカ、ヨーロッパなどの先進国が、二酸化炭素などを出すのをへらそうという内容だ。東南アジアやアフリカなどの開発途上国にくらべて、ガソリンや電気をたくさん使ってきたからね。

二酸化炭素などへらす目標
アメリカはぬけちゃった

 ジャン それでへったの?

 ――うまくいかなかった。約束の中身が決まっていなかったし、守らなくてもよかったからね。そこで97年に京都で開いた会議で、約束の中身と義務を決めたんだ。それが「京都議定書」。それぞれの国ごとに二酸化炭素などを出す量を何パーセントへらすか具体的な目標をもうけた(メモ参照)。

京都議定書でさだめた目標
 2008〜12年までに、二酸化炭素などを出す量を先進国全体で1990年より5.2パーセントへらすことを決めた。国ごとにへらす割合はちがい、日本は6パーセント、アメリカは7パーセント、ヨーロッパ連合(EU)は8パーセントとなっている。アメリカは01年に議定書からぬけた。

 ジャン 今度はうまくいったのね。

 ――いや。約束を始めることを「発効」っていうんだけど、7年たったのにまだできないんだよ。約束を決めた国は、自分の国の国会などでその約束をみとめることが必要なんだ。これを「批准」っていうんだけど、この約束は特に先進国で二酸化炭素を多く出している国が批准しないと、発効しない仕組みになっているんだ。  

 ケン 日本はどうなの?

 ――世界で4番目に二酸化炭素を出している日本は、02年に批准した。でも世界でいちばん出しているアメリカは、途上国にへらす義務がないことや経済への影響などを理由に議定書からぬけちゃった。だから3番目のロシアが批准しないと発効できない状態になっていたんだ。

 ジャン それがようやく批准の手つづきに入ったというわけか。もう大丈夫ね。

 ――いや、京都議定書は温暖化防止の始まりにすぎない。科学者たちは将来、いまより50〜80パーセントへらす必要があるといっている。日本は6パーセントへらさなければならないのに、02年には逆に7.6パーセントもふえてしまった。100年後といっても遠い未来のことではなく、自分たちの問題として考えていかないとね。

(2004年10月16日)

 


朝日学生新聞社のホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての著作権は朝日学生新聞社に帰属します