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不登校の小中学生 初めてへった

長谷川 玲記者(朝日新聞社会部)

ポン

 パパとママが「フトウコウの小中学生が初めてへった」という話をしていたよ。フトウコウって、なに?

ジャン

 「登校」は学校に通うことだから……。

長谷川記者

 不登校というのは、かんたんにいえば学校に通わないことだ。でも、かぜをひいたりけがをしたりして学校を休んでも不登校とはいわない。

ケン

 だったら、不登校って?

長谷川記者

 みんなのまわりには、学校に行くのがいやになってしまって通わない子がいないかい? そういう子が一年30日以上欠席すると、不登校ってよぶんだよ。

昨年度7500人減少、それでもまだ13万人

 ケン どんな理由でそんなに長く休んじゃうのかな。

 ――友だちとの仲がうまくいかないとか、お父さんやお母さんとけんかをしてしまったとか、原因はいろいろだ=円グラフ参照。

 ケン そういう不登校の小中学生がへったというわけ?

 ――文部科学省が毎年やっている「学校基本調査」でわかったんだ。2002年度は2001年度より7511人少なかった。それでも13万1211人が不登校なんだ。

登校する子どもたち(本文とは関係ありません)

 ポン その前はずっとふえていたの?

 ――いまの方法で調査を始めた1991年度から一度もへらなかったんだよ=棒グラフ参照。

 ジャン わたしのまわりには不登校の友だちは見あたらないけれど……。

 ――小学校では280人にひとりぐらいいるかどうかという割合だよ。でも、中学校では37人にひとりいる計算だから、クラスにひとりぐらいは不登校の友だちがいてもおかしくないことになる。

 ケン ふえつづけていたのがどうしてへったのかなあ。

 ――むずかしいね。どうしてふえつづけていたのかも、はっきりした理由がわかっているわけではないんだ。ここ数年、不登校の子どものなやみを聞くスクールカウンセラーが学校に置かれるなどするようになった。そういう工夫の効果が出てきたと考えている人が多いよ。

 ポン 数がへったのはいいことなんだね。

 ――そうかんたんにはいえないんだなあ。まず、数が正確かどうか、よくわからない。

 たとえば、学校に行っても保健室ですごし、教室で授業は受けていない子がいたとき、出席にするか欠席にするかは先生が判断する。不登校の数がへったほうがいいという先生は出席あつかいにするかもしれないけれど、授業を受けていないのに出席にするのはおかしいと考える先生は欠席とすることもある。数え方にばらつきがあるかもしれないんだ。

 国立教育政策研究所が行った別の調査では、不登校の中学1年生のうち半数が、小学生のとき不登校の経験があるというデータも出た。

 ポン そうなの?

 ――それに、へったといっても来年の調査でへりつづけるかはわからない。まだ、よかったとよろこんではいられないと思うんだ。

 ケン 大人たちは不登校をなくそうとしてるんでしょう。

 ――できればそうしたいと思っている人は多いだろうけれど、数ばかりにこだわっていてはいけないと思う。
 不登校といっても、ひとりひとりの子が不登校になっている原因はそれぞれちがうよね。ある子はとなりの席の友だちとのトラブルがもとで休んでいるかもしれない。別の子は先生への不満がきっかけかもしれない。

 ジャン そういうの、先生にはきちんとわかってほしいわね。

 ――不登校の子ひとりひとり事情がちがうのに、先生やお父さん、お母さんらが「学校に通うことがいいことだ」といって無理やり学校に通わせようとしたら、どうかな。ますます学校に通えなくなるだろうね。

 ケン みんなに同じことをいっても不登校はなくならないってこと?

 ――そのとおりだね。不登校の子が学校に通えるようになってほしいと思ったら、ひとりひとりの悩みを聞いてあげることから始めなければいけないんじゃないかな。
 学校での工夫や努力の一方で、「フリースクール」「フリースペース」などとよばれる不登校の子らの居場所づくりも進められてきた。子どもの「学びの場」や「心の居場所」は学校だけではないという考え方も広がりつつある。学校と地域にあるフリースクールなどが連絡をとりあい、フリースクールなどに通った日数を学校の出席日数に数えるといった動きも出始めているよ。

(03年8月31日)


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