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少年法ってなに?

星野 哲記者(朝日新聞電子電波メディア本部ニュースデスク)

ジャン

長崎で12歳の中学生が起こした事件は、すごくショックだわ。

星野記者

 本当だね。四歳の命がうばわれたなんて、ことばが出ない。社会全体にあたえたショックもとても大きくて、さまざまな議論がわき起こっている。

ケン

 たとえば、どんな?

星野記者

 一番大きな議論のひとつが少年法の問題だ。

ポン

 ショウネンホウ?

星野記者

 むずかしい問題だから、よく聞いてね。

子どもの犯罪のたびに見直しの声が出るけど…

   ケン 少年法って、ぼくたち男の子にかんする法律?

 ――そうじゃない。女の子もふくめて、20歳になっていない子どもが、犯罪など悪いことをしたときにどういう罰を受けさせるか、どう反省してもらうかなどを決めた法律だ。子どもが悪いことをしたときは、大人とは別の法律にもとづいて罰するなどするんだ。

長崎のいたましい事件の現場には花がそなえられ、手を合わせて祈る人も見られました。事件を起こした中学生の処分は、「少年法」にしたがって家庭裁判所が決めます=今月9日、長崎市内で

 ポン なんで?

 ――子どもは何が正しく、何が悪いかを自分でまだ十分に判断できないこともある。だから、まず保護して、何が正しいか教育することで立ち直ってもらおうという考えからだ。

 ジャン 大人は悪いことをすると逮捕されて裁判を受け、刑務所に入れられるなどするでしょ?
子どもはどうなの。

 ――年齢によってちがう。14歳以上20歳未満の場合、警察が逮捕したあと、検察というところに送られて調べられる(送致)。その後は、少年事件をあつかう家庭裁判所に送られる。家庭裁判所が「したことがとても悪質で大人と同じような罰が必要」と判断すると、検察に送り返して大人と同じように地方裁判所で裁判を受けさせる。これを「逆送致」というよ。

 ポン ふーん。

 ――16歳以上が人を殺すと逆送致するのが原則になっている。地方裁判所に起訴されて有罪の判決が出たら、教育をおもな目的とした少年院や、少年刑務所に入れるなどの刑事処分を受けさせる。逆送致しない場合、家庭裁判所は「審判」によって保護処分を決定する。

 ジャン 長崎の12歳の中学生は?

 ――罪を犯した者がどんな罰を受けるかを定めた「刑法」という法律は、14歳未満のしたことは罰しないとしている。さっきもいったように、子どもは判断力が十分でないという考えからだ。だから逮捕されず、補導されて児童相談所(18歳未満のあらゆる相談を受ける施設)に送られた。

 ケン それで?

 ――今回のような事件の場合、家庭裁判所に送られて審判を受けることが多い。長崎の中学生は児童自立支援施設(正しい判断ができるように生活指導などをする施設)に入れられるだろう。

 ジャン 逮捕はされないのね。

 ――少年事件をめぐっては、少年法を見直して、罰を受ける年齢を14歳より下げた方がいいのではないかという意見も出ている。でも、いまの少年法は2年前の4月に改正したばかり。それ以前は16歳以上だった罰を受ける年齢を引き下げたり、逆送致を原則としたりしたんだよ。

 ケン そうなんだ。どうして?

 ――1997年に兵庫県神戸市で、14歳の少年が10歳と11歳の子どもを殺す事件があり、「14歳だと罰せられないのはおかしい。少年法をきびしくすることで犯罪をへらそう」という意見が多く出たからだ。

 ジャン でも、また悲しい事件が起きてしまったのね。

 ――うん。罰をきびしくすれば犯罪がへるとは必ずしもいえない、という意見もある。罰を受ける年齢を下げればいいのか、冷静に考える必要がある。外国だと、ヨーロッパでは13歳としている国が多いけど、スコットランド(イギリスの一地域)では8歳、ルクセンブルクは18歳と、開きがあるんだよ。

 ケン うーん。たしかにむずかしい問題だ!

 ――少年法だけの問題ではない。子どもたちに命の大切さを知ってもらうにはどうするか。罪を犯した少年にはどんな教育が必要なのか。社会全体で考えていかなければいけない問題なんだ。

(03年7月26日)


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