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どうして銀行を国民のお金で助けるの?

有田 哲文記者(朝日新聞経済部)

有田記者

りそな銀行って知ってる?

ジャン

最近名前をよく聞くね。つぶれたんだっけ。

有田記者

倒産したわけじゃないんだ。ただ、このままほうっておくと倒産してしまうのではないかと政府が心配して、二兆円近いお金をかしてあげることにしたんだ。そのお金のもとは、パパたちがはらっている税金だ。

ポン

どうして?

有田記者

銀行がつぶれてしまうと、世の中が大さわぎになるんじゃないかと思ったんだね。

ケン

何か、銀行だけえこひいきされてるみたいだなあ。

銀行は社会の「心臓」、とまると大さわぎに

 ジャン そもそも、銀行ってどんな仕事をしているの。

お金がうまく回るよう、大切な役割をになう銀行。政府のお金を使って使って助けることには不満の声もあります。

 ――みんなは、人生ゲームで遊んだことあるかな。銀行の役をする人がいないとゲームはできないよね。世の中も同じ。銀行は、お金が社会のなかでうまく行ったり来たりできるようにする仕事をしてるんだ。

 ポン どんなふうに?

 ――みんなのパパやママも銀行にお金をあずけているよね。銀行は、そのお金をまとめて、会社などにかしているんだ。
 会社は工場やお店を持っている。銀行からかりたお金で材料や品物をたくさん買えるから、たくさん仕事ができるようになるんだ。会社は、その仕事のもうけのなかから、銀行にお礼をわたすんだ。これを「利子」とよんでいるよ。
 パパやママが銀行に長くあずけると、お礼のお金が少しついて、あずけたお金がふえるよね。あれは、銀行が会社からもらった利子の一部をはらっているからなんだ。

 ジャン 銀行には、お金をあずかる役目と、お金をかす役目のふたつがあるのね。

 ――うん。その役目をうまくこなすには、お金をかすときに、会社が始めようとしている仕事がもうかりそうかどうか、よく調べなければいけないんだ。もし会社がつぶれてしまったら、お金が返してもらえなくなるかもしれないだろ?
 銀行と会社のお金のかしかりが順調にいけば、経済は活発になる。

 ポン 大事な仕事なんだね。

 ――工場やお店などの仕事をささえているわけだからね。人間の体にたとえると、銀行は、世の中に血を送り出す心臓みたいなものかな。

 ケン どの会社も、銀行からかりているの。

 ――大きな会社のなかには、あんまり銀行にたよらなくてもいいところもある。名前がよく知られていて信用されていれば、お金持ちや別の会社から直接お金をかりたりもできるからね。でも、小さな会社は銀行からかりるしかない。

 ジャン ふつうの会社が倒産しそうになっても、国はお金を出して助けてくれるの。

 ――いいや。

 ケン やっぱり、えこひいきだ!

 ポン どうして銀行は助けるの。

 ――ひとつの銀行が倒産すると、次はあそこがあぶないんじゃないか、と大さわぎになるのがこわかったんだろう。そんなあぶない銀行にあずけておくのはいやなものだからね。
 そうなると、みんながいっせいに預金を引き出して、倒産しなくていい銀行まで、かすお金がなくなって倒産するかもしれない。銀行がつぶれれば、お金をかりられなくなった会社も数多くつぶれてしまい、日本経済全体がおかしくなってしまうからなんだ。
 心臓がとまると、血が回らなくなって体の全体が動かなくなってしまうということだね。

 ポン 銀行がつぶれたら、あずけたお金はどうなっちゃうの。

 ――倒産すると、お金が足りなくて預金を返せる力がなくなっていることもある。でも、そんなに心配することはないよ。それぞれの銀行があらかじめお金を出し合っておいて、倒産した銀行にあげることにしているんだ。これを「預金保険」というんだ。
 いざとなれば、この預金保険のお金を使って預金者ひとりに1千万円までは絶対返すようにしているんだ。

 ポン じゃあ、ぼくがあずけているお年玉は安心だ。

 ――それだけじゃないよ。みんながよく使う普通預金だけは2005年3月まで、何があっても全部返すと政府が約束しているんだ。ここ何年か、銀行がいっしょになって名前がかわることが多かったよね。強い銀行になろうとがんばっているんだ。もうひと息というところだけどね。

 ケン 銀行には、しっかりしてもらわなくちゃ。

(03年6月21日)


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