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伊藤 宏記者(朝日新聞政治部)
自衛隊をイラクへ送るための法律をつくろうとしているって、朝小で読んだけど……。
「イラク復興支援特別措置法案」のことだね。イラクにかかわる新しい法律だから「イラク新法」ともよばれるよ。小泉首相は、いまの国会で成立させたいと考えているんだ。
ちょっと待って、自衛隊は日本を守る組織でしょ。なんでイラクへ行くの。
イラクで何するの?よーし、きょうは、この法案について勉強だ。
よーし、きょうは、この法案について勉強だ。
ジャン イラクは戦争が終わったばかりだから、まだ混乱しているんでしょ。
――戦争で建物や道路、橋などがこわされた。武器がかんたんに手に入り、どろぼうがふえて、治安が悪いそうだよ。
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| イラクへ自衛隊を送るべきか。法案をめぐる国会の話し合いが注目されます。写真左上は、荒れはてた首都バグダッドの文化省。右上はことし4月、インド洋へ送られた海上自衛隊のイージス艦。下はことし2月、東ティモールの平和をたもつ活動に派遣された自衛隊員 |
ケン おじいちゃんやおばあちゃんが子どものころ、日本でも戦争があったんだよね。食べ物がなくて、いつもおなかをすかせてたって。
ポン イラクの人たちも、こまってるだろうね。
――だから、世界の国々がイラクを支援しようとしている。戦争に勝ったアメリカ(米国)などが中心になって、戦後の立てなおしを進めようとしているんだ。
アメリカやイギリスの軍隊は、警察官のようにパトロールしている。ほかにも20か国ぐらいの人たちが参加して、橋や道路をなおしたり、イラクの人に食べ物や水など、生活に必要なものをくばったりしているよ。
ケン 日本も何かしているの。
――食糧や水、医薬品のためのお金を出したり、国づくりのアドバイスをするために政府の職員を送ったりしている。
ジャン アメリカ軍などがパトロールしても、治安はなかなかよくならないって聞いたわ。
――そうなんだ。だから、アメリカは「日本の自衛隊にも手伝ってほしい」といっている。
ポン 手伝っちゃいけないの?
【自衛隊の海外派遣】
初めて自衛隊が海外に送られたのは1991年。湾岸戦争後、ペルシャ湾の機雷をとりのぞくために掃海艇が派遣されました。自衛隊法にもとづいて送るとされましたが、法律的にあいまいだと批判されました。
92年、国際平和をたもつための国連の活動にお金だけでなく人も出して貢献しようと政府が提案した、国連平和維持活動(PKO)協力法が成立。カンボジアに自衛隊が送られ、道路の修理などにあたりました。その後、東ティモールなどのPKOにも派遣されています。
2001年、アメリカで起きた同時多発テロ事件を受け、アフガニスタンを攻撃するアメリカ軍を後方から支援するためのテロ対策特別措置法が成立。インド洋にイージス艦などが派遣されました。 |
――ケンくんがいったように、自衛隊は日本を守るためのものだ。国連から「国づくりに協力してほしい」といわれたとき自衛隊が協力するための法律はあるし、じっさい協力しているケースもある=メモ参照。だけど今回のように、国連からおねがいされていない海外での活動に自衛隊を送るには、特別な法律をつくるしかない。だから、小泉首相たちは自衛隊がイラクではたらける法律をつくろうとしてるんだ。
ジャン どんな内容なの。
――政府の案は、自衛隊の活動は武器を使わなくていい安全な場所にかぎるとし、仕事は@施設の建てなおしや生活に必要なものを運ぶAイラク国内の治安をたもつ国連加盟国の活動を手伝うBフセイン政権がのこしたとされる大量破壊兵器の処理に協力する、の三つがもりこまれている。四年間かぎりの法律だというよ。
ケン 反対している人もいるみたいだけど……。
――日本は憲法で戦争をしないって決めているから、自衛隊は海外で武力を使っちゃいけない。だから法案でも、戦闘のない地域で活動するとしている。でも、イラクでは大がかりな戦争は終わったものの、アメリカ軍などに対して手投げ弾などを使った攻撃がつづいているんだ。戦いのない地域を特定するのはむずかしいのではないか、という声がある。
ポン ふーん。
――治安をたもつ活動の手伝いでは、アメリカ軍やイギリス軍の武器・弾薬を運ぶばあいもあるとされている。そうなれば戦闘にまきこまれる危険性が高いと反対する人もいる。そもそも、戦いが起こるかもしれないイラクに自衛隊を送るべきじゃない、という人もいるよ。
一方で、いろんな国がイラクの国づくりに協力しているときなのだから、憲法を守れる範囲で、自衛隊も積極的に協力すべきだと考える人たちもいるんだ。
ケン ほんと、むずかしいなあ。
――多くの人がイラクの復興を助けたいと思うだろうけど、自衛隊を出すことについては意見が分かれる。国会でしっかり議論して、納得のいく結論を出してほしいね。
(03年6月14日)
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