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東京都心の再開発って?

星野 哲記者(朝日新聞電子電波メディア本部ニュースデスク)

ケン

ぼくたち、ゴールデンウイークはどこにも連れて行ってもらえないのかな。

ジャン

ママとパパは「都心の再開発地域めぐりでもしようか」っていっていたわよ。

ポン

サイカイハツ?

ケン

「六本木ヒルズ」とかいう新しい街ができて、いっぱい人が来てるって新聞やテレビで見たけど、それのことかなあ。

星野記者

そう、六本木だけでなく、東京の中心部に大きなビルが次々と建てられ、話題になっているよ。

ジャン

不景気なのに、そんなにビルが建つのはなぜ?

星野記者

きょうは、都心の再開発について説明するね。

不景気なのに新しい街やビルが次々と

 ポン ビルのことをサイカイハツっていうの?

はなやかにオープンをいわった「六本木ヒルズ」=4月25日、東京・六本木で

 ――いや。むかしからある街は、住む人たちがバラバラに家やビルを建てていることが多い。みんなで土地を出し合うなどすれば、もっと大きなビルを建てることや、住みよい街づくりを計画的に進めることができる。むかしからある街をもう一度つくり直すことが再開発のひとつだ。「六本木ヒルズ」はその例だね。

 ケン 「ひとつ」ということは、ほかにも意味があるの?

 ――昨年末に一部オープンした「汐留シオサイト」が代表例だけど、貨物置き場などに使われてほとんど開発されていない広い土地に新しい街をつくることも再開発というよ。

 ポン ふーん。

 ――東京ではほかにもJR東京駅前や品川、秋葉原など再開発がたくさんあって、多くの超高層ビルが建つ。ことしだけで、東京ドームの広さの約47倍、218万平方メートル分のビルができるという予測もある。景気がよかったバブル時代よりも大きい数字だ。

 ジャン いまは景気が悪いんでしょ。なんでそんなにたくさんのビルができるのかしら?

銀座のビルには空き部屋がふえ、「テナント(借り主)募集」の看板が。奥に汐留地区の高層ビルが見えます

 ――旧国鉄(JR)が持っていた広い土地が、1990年代後半になっていっせいに売りに出された。バブルのころに計画された再開発がようやく実現する時期にも重なった。政府が去年3月に「都市再生特別措置法」という法律をつくって、再開発が以前よりかんたんにできるよう後押ししたのも見のがせない。

 ケン 政府も応援してるってことは、再開発はよいことなの?

 ――たしかに、住みよい街づくりがしやすい面がある。会社が入るオフィスビルと人が住むマンションをいっしょにつくって通勤を楽にするなどの利点もある。東京が住みやすくて働きやすい魅力ある都市になれば、世界から人やモノ、お金も集まって、日本経済にもプラスになるかもしれないね。

 ジャン じゃあ、どんどん再開発するべきね。

 ――そうとはいいきれない。問題点もあるんだ。そのひとつに「2003年問題」がある。

 ポン ことしの問題?

 ――ことしは大きなオフィスビルが次々に完成する。ふえた分だけ会社が入らなければ空き部屋ができるよね。いまは不景気で、会社が「どんどん事務所を広げよう」というわけにもいかない。だから、前からあるビルでは、入居者が新しいビルにうつるなどして、空き部屋が目立ってきた。

 新しいビルでも、うまっていない部屋がある。東京の空き部屋率はことし、8パーセントにもなるという計算もある。競争のためにビルの家賃が下がり、土地の値段も下がってデフレがいっそう進む可能性がある。これを2003年問題というんだよ。

六本木ヒルズ

 2万人がはたらく、54階建てオフィスビル「森タワー」を中心とした街です。会社の事務所(オフィス)と約210のお店、映画館、ホテルなどが入っています。敷地には、43階建て2棟をふくむ計4棟の高級マンションが立ち、2000人がくらすことになります。

汐留シオサイト
 JR新橋駅近くの貨物駅あと地に、40階をこす高層ビルがならびます=写真。テレビ局や広告代理店などが本社をかまえました。日本一の高層マンション(56階建て)など、2006年度には15棟以上の大型ビルがそろう計画です。6万人がはたらき、6000人がくらす街になります。

 ジャン よろこんでばかりはいられないのね。

 ――東京に人も会社も集中するのを一極集中というんだけど、再開発でこれが進みすぎれば、土や緑がへって気温が高くなる「ヒートアイランド現象」がより深刻になったり、道路が渋滞したりと、生活環境が悪くなる心配もある。

 ケン それはこまるよ。

 ――再開発は、六本木なら六本木だけを見れば計画的だけど、東京全体で見ると景観も何も無計画に進められている。魅力的になる可能性もあるけど、まだ東京の将来像は見えてこないのが現実だ。

(03年5月3日)


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