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小倉 いづみ記者(朝日新聞外報部)
大きな戦いはほぼ終わったみたいだけれど、イラクのニュースはあいかわらず、新聞やテレビにたくさん出てくるね。
戦争のあとの、とてもむずかしい宿題に、いま、とりかかっているところだからよ。
むずかしい宿題?
わかった! イラクの人たちの生活をもとどおりにして、新しい国をどうつくるか。でも、そんなにむずかしいの?
きょうのテーマ、決まったわね。
ポン まず、イラクはいまどうなっているの?
―フセイン大統領の支配がくずれたあと、首都のバグダッドなど各地で市民がぬすみをするようになり、やりたい放題になっているの。
ポン お金をぬすむの?
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| 新しい国づくりが課題のイラクですが、復興に向けたアメリカのやり方に反発する人たちのデモも起きています=21日、首都バグダッドで |
―お金もだけど、お店や、からっぽになった大統領宮殿、役所、権力を持っていた人の屋敷などにおし入って、家具から何から、何でもかんでも持ちさっているの。
ポン 自分の家で使うの?
―売るらしいの。イラク国立博物館では、メソポタミア文明の遺物など、人類の宝といわれる収蔵品がごっそり持ちさられたわ。
ジャン 市民のくらしも、大変なんでしょ。
―あちこちの都市で、水道や電気が止まり、食べ物も十分にとどいていないの。病院では薬もたりず、けが人の治療も思うようにできない。
ジャン こういう状態をかえるためにも、早く新しい国づくりを進めないといけないのね。
ケン でも、だれがどうやって進めるのさ?
―じつは、それがむずかしいの。
ポン どういうこと?
―アメリカはまず暫定統治機構、つまり、しばらくの間イラクを治める「仮の政府」をつくり、本格的な政権にうつる準備をさせようと考えているの。仮の政府も本格的な政府も、イラクの人たちのものだ、といっているけれどね。
ケン それなら、いいじゃない。イラクの人もよろこんでいるんでしょ。
―ところが、暫定統治機構をつくる準備の話し合いさえ、うまくいっていないの。4月中旬、最初の話し合いが開かれたけれど、アメリカに反発して、強い勢力を持つイラク人のグループが欠席したわ。
ジャン よびかけたのが、戦争相手のアメリカだから?
―アメリカは、新しいイラクに対して力を持ちつづけるために、政権づくりでもリーダーシップをにぎりたいと考えている、といわれているわ。それに、アメリカのやり方に反感を持つイラク人は、とても多いの。「自分たちを力でおさえつけようとしている」と考えて、アメリカをきらっているのね。
ポン アメリカやイギリスの兵隊さんを、よろこんでむかえる人たちの写真を見たけど、そういう人ばかりじゃないんだね。
―アメリカに反発する人たちは、アメリカが「自分たちに都合のいいイラク人を指導者にしようとしている」とみているの。
ジャン 「アメリカに都合のいいイラク人」なんて、いるの?
―ひと口にイラク人といっても、イスラム教シーア派、スンニ派という宗派のちがいがある。民族も、ほとんどはアラブ人だけれど、一部の地域にはクルド人という民族もくらしている。
この中には、アメリカと仲良くしたい人たちがいる一方、アメリカを敵と考える人たちもいる。グループどうしの対立もある。
こんなふうに、宗派も民族も立場もちがう人たちみんなが納得する指導者をどうえらぶか、むずかしい問題だわ。
ケン 日本は、イラクの新しい国づくりに協力しないの。
―アメリカは、「イラク復興人道支援室」をつくった。イギリスなどいくつもの国といっしょに、市民のくらしをたて直し、イラク人が仮の政府をつくるのを指導している。
日本政府も、支援室に外務省の職員を送り、お金も出すことを決めたの。
ケン すぐ決まったの?
―支援室について、国連はまだ何も話し合っていないの。「そういう組織に日本が協力してしまっていいのか」という疑問が、野党だけじゃなく与党の中にもあったわ。
国連は、イラク戦争をとめられなかった。「イラクの新しい国づくりは国連が中心になってやるべきだ」と、ヨーロッパの国々はもとめているわ。
イラクの新しい国づくりは、まだ長い道のりになりそうだけれど、今度こそ世界の国々が協力し合っていかないとね。
(03年4月26日)
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