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「倒産」で営業つづけられるのは、なぜ?

小山田 研慈記者(編集部)

ジャン

遊びに行ったことがある長崎県のテーマパーク、ハウステンボスが倒産したって、新聞に書いてあったわ。

ケン

でも、営業はこれまで通りつづけているって。前にも近くのスーパーが倒産したっていうのにお店を開いていたけど……。

小山田記者

それは、会社更生法という法律を使えるよう裁判所におねがいしたんだよ。経営に行きづまった会社を立て直すための法律さ。

ポン

カイシャコウセイホウ……?

ケン

どういうことなのか、くわしく教えて。

会社更生法使って再建めざすことができる

 ジャン 倒産って、つぶれることじゃないの? どうして営業をつづけられるのかしら。

会社更生法を使って、経営の立て直しをめざすハウステンボス。「倒産」のニュースが出た後も、これまでとかわらず営業しています=長崎県佐世保市で

 ―「会社が倒産した」といっても、大きく分けて、営業をやめる場合と、会社更生法などの法律を使って、裁判所の監督を受けながら営業をつづける場合のふた通りがあるんだ。ハウステンボスは会社更生法を使って営業をつづけようとしているんだよ。

 ケン 営業をつづけるのに倒産なんて、変だなあ。

 ―この法律を使うということは、会社が自分の力では立ち直れないほどきびしい経営状態にあるということだ。だから、事実上の「倒産」といわれるんだよ。

 ポン ふーん。

 ―でも、倒産というと、きみたちと同じように会社がなくなると思う人が多い。立て直しの望みがあって、更生法を使う場合は、倒産とよばないようにしよう、という声も強くなっているよ。

 ケン 会社更生法って、どんな法律なの?

 ―経営に行きづまっても、立ち直る望みのある株式会社は救おうと、1952年にできた。とても強い力を持つ法律だよ。

 ケン どんな力?

 ―まず、社長ら会社の経営にかかわっていた幹部をみんなやめさせることができる。会社にお金を貸した銀行などが会社の財産をもっていかないように、すべての財産をいったん、押さえることもできる。銀行などから借りたお金が棒引きになるケースも多い。スーパーの長崎屋やマイカルもこの法律で立て直しをはかっている。

 ジャン 立て直そうとする会社には、いいことばかりね。

 ―そうでもない。裁判所が法律を使う許可を出すまでの手つづきに時間がかかるし、条件もきびしい。会社の財産を管理する「管財人」とよばれる人たちがえらばれ、その人たちが立てた計画案を、お金を貸している銀行や株主ら関係者にみとめてもらったうえで、裁判所の判断をあおぐんだ。

 ケン やっぱり、あまくないんだ。

 ―法律を使いたいとおねがいしてから、裁判所が手つづき開始の許可を出すまで約3か月。営業をつづけても、この間にお客さんが来なくなって、立て直せないことも多かった。それで、この法律がことし4月からかわるんだ。

 ポン 使いやすくなるの?

 ―そう。手つづきの時間がかなり短くなるほか、立て直し計画を決める条件がゆるくなる。これまでは、関係者の3分の2以上が賛成しなければいけなかったけど、半分をこえればよくなるよ。

帝国データバンク調べ

 ケン でも、社長とか経営をまかされてた人がみんなやめさせられるっていうのはきびしいね。

 ―その部分もかわるよ。経営の責任がないとされた人はやめなくてもよくなるんだ。これまでは、やめるのがいやな経営者たちが会社更生法を使うのをためらって、絶対に立て直せないところまで経営を悪くするケースもあったと聞くよ。

 ジャン 会社更生法で経営を立て直したいという会社は、どれくらいあるの?

 ―民間調査会社の帝国データバンクの調べでは、去年は大きな会社の倒産があいつぎ、会社更生法が使われたケースが64件にのぼった。50件をこえたのは4年ぶりだというよ。4月から法律が使いやすくかわることしは、さらにふえるかもしれない。

(03年3月10日


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