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長谷川 玲記者(朝日新聞社会部)
「教育基本法」の見直しが必要という提案が出たって、新聞で読んだわ。わたしたちにも関係のあることなの?
それって、勉強の基本をビシビシ教える法律?
宿題をいっぱい出す法律?
おちついて。教育基本法というのは、そういうこまかい教え方についての法律じゃなくて、「学校や社会はどんな理想をかかげて子どもたちを育てていくか」という、大もとの考えをしめした法律なんだ。「教育の憲法」ともよばれるよ。
それをかえようというのなら、わたしたちにも大きな問題だわ。くわしく話して。
―まず、「教育」ってわかるかな。
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| 学校でどんなことを学ぶか、大もとになる考えをうたった教育基本法。あらためるかどうか、話し合いの本番はこれからです=写真はイメージ 合成 渡辺英明 |
| 【これからの動き】 中央教育審議会の見直し案をもとに、自民、公明、保守新党の与党3党が法律の改正案を話し合います。その後、国会に法案として出される予定ですが、与党の中にも改正にしんちょうな意見があるほか、国会では野党からの強い反発も予想されます。 |
ケン 算数とか国語とか体育とか……いろいろな教科を教えることでしょ。
―もちろん、それも教育さ。でも、先生の仕事はそれだけじゃないよね。
ジャン 友だちをいじめたり、いたずらをしたりすると、しかられるわ。
ケン 「当番もきちんとしなさい」っていわれるな。
―そうだね。教育っていうことばの意味は、とてもはば広い。みんなが社会の中でなかよくくらすのに大切なルールを身につけさせるのも教育の役割だ。
教育基本法は、そのためにはどんなことを教えたらいいのかの「基本」をまとめた法律なんだ。たとえば、教育の目的は「真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ」……。
ポン わかんないー!。
ジャン でも、なんか、いいことが書いてあるみたい。
ケン それをなぜ見直そうというの?
―つい最近、中央教育審議会(中教審)というところが、提案をまとめたんだ。大学の先生とか教育の学者とか、教育問題にくわしい人たちの集まりで、文部科学大臣の相談役みたいなものだね。その人たちが、大臣に「教育基本法の見直しが必要」と報告したのさ。
ジャン これまでの基本法に、何かだめな点があるの?
―基本法は五十年以上前につくられた。審議会は「教育は危機にあるから見直さないといけない」といっている。
ポン 危機って?
―みんなのまわりには、いじめにあって泣いたり、学校に来るのがいやで不登校になったりしている友だちがいないかい? こうした問題を解決するためにも、基本法をかえるべきだといっている。
ジャン どんなふうに?
―審議会の人たちは、いまの基本法には、教えなければいけないのに書かれていないことが多いといっている。「国を愛する心」「日本の伝統・文化の尊重」。「公共の精神」もだ。国や社会をよくするために、すすんで協力する気持ちを育てようとよびかけている。
ジャン うーん……。そういうことを基本法に入れたら、いじめや不登校をなくせるかしら?
―たしかに、基本法は教育の理想をうたうものだから、もりこんだからといって、学校がすぐかわるわけじゃない、という人もいる。
ケン 学校の何かが、すぐかわるわけじゃないのか。
―ちょっと待って。基本法は、教育に関するいろんな決まりのもとになる法律だ。改正されれば、学ぶ内容をさだめた学習指導要領や、教科書の内容もかわるかもしれない。
ポン でもさ、いい方向にかわるならいいよね。みんな賛成でしょう?
―ところが、いろいろな議論があるんだ。戦前の教育がどんなだったか、聞いたことあるかな。学校で「国のため、天皇のためにつくしなさい」と教えられ、戦争へとつき進んだ歴史がある。
そういう悲しい時代をくり返さないように、いまの憲法がうまれ、憲法がうたう「平和」や「人権」を大事にする人を育てようと、教育基本法ができた。
審議会も、平和や人権教育の大切さは、そのままのこそうといっている。でも、「なぜいま改正が必要なのか」「愛国心など、心の問題を法律で決めるのはおかしい」など、改正に反対する人も多いんだ。
みんなに関係する問題だから、これからの動きに注目してね。
(03年3月31日)
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