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小室 浩幸記者(朝日新聞経済部)
わたしたちの住んでいる街が「構造改革特区」に応募したって聞いたけど……。
構造改革っていうことばは、小泉首相がいつもくり返しているなぁ。特区っていうのも、最近よく新聞で見る。
ふたつくっつくと、すごくむずかしそう。
構造改革特区は、小泉首相が進めている改革の「目玉」といわれているよ。きょうは、その勉強をしよう。
ケン まず、構造改革って?
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| 小泉首相が進める構造改革特区。授業を英語で行う学校をつくる、宝くじの発行、地域通貨をとり入れるなど、さまざまな提案が出ています |
―社会の仕組みやいろいろな決まりごとを見直して、効率のよくない制度をあらためたり、やめたりすることだよ。そうすれば社会はもっと生き生きするだろう、というのが小泉首相の考えだ。
たとえば、商売をするとき、法律にしばられて自由なアイデアが生かせないような場合、その法律が本当に必要かどうか見直すのもひとつだ。
ジャン むかしつくられた校則を見直すようなものね。
―そうだね。「こうしなさい」という決まりをなくして、のびのびと活動できるようにするのがねらいなんだって。それを特別の区域(特区)で進め、教育や経済をさかんにしようという試みが改革特区さ。
で、政府が去年8月とことし1月に、「規制にしばられずにやりたいことはなんですか」と、都道府県や市町村、会社からアイデアを募集した。
ポン 集まったの?
―全国から千件以上のアイデアが集まった。
たとえば群馬県太田市は「小、中、高校をひとつにした一貫校をつくって、おもな授業を英語でやりたい」と提案した。
栃木県足利市などは、都道府県と政令指定都市しかゆるされていない宝くじの発行ができるようにもとめているよ。
ケン それって、実現するの。
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【提案された構造改革特区の例】
▽地域だけで使える特別な通貨(お金)をとり入れたいbb東京都世田谷区など。
▽会社をつくったり、新しい商売を考えたりする人を小さいうちから育てるため、小中高一貫の学校をつくりたいbb神奈川県横須賀市。
▽株式会社が学校を運営できるようにしたいbb長野県など。
▽ロボット開発を進めるため、歩道などでもロボットの実験ができるようにしたいbb福岡県など。
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―いま話し合い中だ。よせられたアイデアをもとに約90の規制をゆるめた法律が去年の年末にできた。
地域によっては4月から、幼稚園に2歳から入れるようになる。学校に外国人や社会人の先生を採用できるようになる地域もある。
ポン ふーん。
―今後もよせられたアイデアをもとに、規制をゆるめる範囲を広げる予定だ。
ジャン でも、どうしてこんなことをするの。
―不景気、ってよく聞くよね。経済の元気がなくなっている。そんなとき、これまでの政府は、道路や橋をつくる公共事業にお金を使って、景気をよくしようとした。でも国の家計にあたる財政がきびしく、国の借金もふえている。
そこで、お金を使わない景気対策に注目が集まっているんだ。規制をゆるめると、いろいろな産業が発達するかもしれない。商売もさかんになって、景気もよくなるんじゃないか、というわけさ。
ケン それなら全国でいっせいに始めればいいのに。なぜ、かぎられた場所でやるの?
―全国で進めるには時間がかかるし、法律のしばりをなくすとこまる問題だって出てくるかもしれない。
まず特区でためしてみて、いい点、わるい点を調べる。そのアイデアがうまくいったら、全国に広げればいいし、問題があったら改善策を考えよう、というわけさ。学校全体で校則をかえず、一部のクラスでためすようなものかな。
ジャン じゃあ、アイデアはどんどん実現していくのね。
―いや、そうともいえない。規制があるおかげで、商売のきびしい競争にさらされずにすんでいる人たちもいる。業界を監督する役所なども、影響力がさがるといって反対することが多い。
でも、なくていい決まりがいくつもあるのはたしかだ。どんな提案が実現し、暮らしがどうかわるか、しっかり見守りたいね。
(03年2月3日)
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