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山田 邦博記者(朝日新聞くらし編集部)
おじいちゃん、おばあちゃんたちがもらう年金が最近よく話題になっているね。
年金って?
年をとるなどして働けなくなった人たちが生活できるように、定期的にはらわれるお金だよ。来年、国の年金の仕組みをつくりなおそうと、厚生労働省が見直し案を発表したんだ。
ぼくたち子どもには関係ないんじゃない?
ちょっと待った。もっと長い目で見なくちゃ。国の年金は、みんなでお金を出し合ってささえる仕組みだ。真剣に考えなければいけないのはむしろ、若いみんなの方なんだよ。
どういうこと? くわしく教えて。
負担する人がへるので仕組みを見直すの
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| 子どもの数がへり、お年よりの割合がふえる中、老後の生活をささえる年金の改革が「待ったなし」のときをむかえています |
ジャン 「国の年金」っていったけど、ほかにも年金があるの?
――大きく分けると国の年金と、民間の保険会社などがあつかっている私的年金があるんだ。
ケン 話題になっているのは、国の年金の方なんだね。
――そうなんだ。国の年金は3種類ある。@会社につとめる人が加入する「厚生年金」A農家や近所の八百屋さんといった自営業者たちが入る「国民年金」B役所につとめる公務員らの「共済年金」。今回はまず、@とAについて見直し案が出されたんだ。
ポン 種類によって、もらえる金額とかがちがうの?
――加入者が支はらう掛け金(保険料)もちがうし、年をとってから受け取る金額もちがう。自営業者などの国民年金は月1万3300円を20歳から60歳まではらうことになっている。65歳から年金を受け取ることができ、いまは月に約6万6000円だ。
ケン パパみたいな会社員は?
――会社員の厚生年金は給料の一定割合(13.58パーセント)を会社と会社員が半分ずつ支はらう。給料の多い人ほど保険料をたくさんはらうことになるんだ。平均的な給料の会社員が40年間働いて受け取る年金は、奥さんが専業主婦のばあい、夫婦ふたりで月23万6000円。働いていたときの手取り年収の6割程度の額になる。共済年金は保険料などはちがうけど、基本的な仕組みは厚生年金と同じだ。どの年金も、専業主婦をふくめて、生きている間、ずっと受け取れる。
ポン 見直し案だと、どうなるの?
――厚生年金のばあい、保険料は来年から約20年間、少しずつ値上げしていき、給料の20パーセントになったら値上げをストップする。平均的な給料の人で年1万円ほどの値上げだ。国民年金は毎年600円ずつ値上げして1万7300円になった時点で値上げをやめる。
ジャン 受け取る年金の方は?
――基本的には、これまで受け取っていた金額がへらされることはない。でも、これまでのようにふえることもない。
ケン そもそも、なぜ保険料を上げなくちゃいけないの。
――国の年金は、貯金のように自分でお金を積み立てておいて将来、受け取るという仕組みじゃない。いま働いている人から保険料を集め、お年よりたちの銀行口座などに振りこむんだよ。
きみたちも「少子化」ということばを聞いたことがあると思うけど、いまは昔より子どもの数がへっている。つまり、ひとりのお年よりにはらう年金を以前より少ない人数でまかなわなくてはいけない。だから、ひとり当たりの保険料の負担をふやさないと同じ年金の額をたもてないんだ。
ジャン 保険料を一定の割合や金額まで上げたら、わたしたちが年をとって年金をもらうときにも、いまと同じくらいのお金がもらえるの?
――見直し案は100年先まで老後の年金を受け取ることができるよう計算してつくられたというよ。いまより割合はへるけれど最低限、働いていたときの手取り年収の半分はもらえるとされている。
ポン じゃあ安心だ。
――そうでもないんだ。厚生労働省の見直し案について同じ政府の財務省や、経済界、専門家などから「見通しがあまい」「保険料が高すぎる」「もっと年金を引き下げるべきだ」などと批判が出ている。
ジャン 保険料の値上げはいやだし、年金がへらされるのもこまるわ。
――どうバランスをとるかむずかしい。これから保険料をはらうことになるみんなにもふりかかってくる問題だよ。それが年末にかけて決められようとしているから、注目してほしいな。
(03年11月29日)
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