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曽我 豪記者(朝日新聞政治部デスク)
政治の話って、頭がこんがらがっちゃうなあ。
どうしたの?
最近、新聞やテレビで「二大政党の時代へ」っていってるでしょ。それって、ふたつしか政党はなくなるってこと?
あれ? 総選挙では自民党と民主党が目立っていたけど、公明党や共産党、社民党もあるよね。
「二大政党の時代へ」っていうのは、いまの政治の大きな流れをいっているんだ。ほかの政党がなくなってしまうわけじゃないよ。むずかしいテーマだけど、いっしょに勉強してみようか。
ちゃんと聞かないと、わからなくなりそうだね。
ふたつの有力政党がはり合う政治の流れ
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| 小泉純一郎首相(右)がひきいる自民党と、菅直人代表(左)の民主党のふたつの政党がはり合い、よりよい政治ができるか注目されます |
――まず今回の総選挙のおさらいだ。
ケン 自民党が勝ったんでしょ。
――まあ、そうだね。でも、ライバルの民主党も選挙前より大きく議席をのばした。衆議院の定数は全部で480議席。このうち自民党は237議席、民主党が177議席をしめたんだ。
ポン ふたつの党で、ほとんどいっぱいだ!
――うん。こんなふうに、ふたつの有力な政党がはり合う形になった大きな政治の流れを「二大政党の時代」とか「二大政党化」とよんでいるんだ。
ジャン いよいよ本題ね。
――ちょっと待った。その前に、すごく基本的な質問。そもそも政治って何のためにあると思う?
ケン えーっ。
ジャン わたしたちが、安全に、よりよくくらせるようにするためかしら。
――その通り。だから、それぞれの政党は「こうした方が、国やみんなの生活はもっとよくなる」というアイデアをうったえて選挙で議席をあらそうんだ。今回のように自民党が勝てば、総理大臣を出して政権をになえる。
ジャン 多くの人が、そうなることをのぞんで投票した結果ということね。
――そう。みんなの声を政治に生かすために選挙をし、みんなの考えを代表する政治家や政党をえらんでもらうんだ。この仕組みについて、大きくふたつの考え方がある。
ポン どんな?
――ひとつはヨーロッパの国に多いんだけど、たくさんの政党がいろんな声を代表して選挙を戦った方が、よりきめ細かく、国民の気持ちにこたえられるという考え方。選挙の仕組みでは「比例制」といって、それぞれの政党が得た票の比率におうじて議席をふり分ける。
ケン それでいい気がするけど。もうひとつは?
――大きなふたつの政党が政策をきそい合う方がわかりやすいという考え。これが「二大政党制」だ。アメリカで大統領をあらそう共和党と民主党、イギリスの労働党と保守党などがこの例だね。選挙は、ひとつの選挙区でひとりしか当選できない「小選挙区制」を基本にしている国が多い。
ジャン 一対一の戦いで、すっきりしているわね。どっちも良さそうで、まよっちゃう!
――それぞれ、欠点もあるんだ。たくさんの政党があらそう国では、選挙の票がひとつの党にまとまりにくい。だから、いくつかの党がより集まって政権をになう「連立政権」になりやすいんだけれど、仲間割れなどで、ころころ政権がかわるケースが多い。
ケン 二大政党だと?
――ひとつの党中心でいけるから、政権が安定して長つづきするといわれる。だから、じっくり政治に取り組んでもらえるんだけれど、「ふたつにひとつ」をえらぶ選挙では、その他の少数意見が切りすてられる結果になる。
ジャン それで日本はどっち?
――はっきり「こっち」とはいえないんだ。1996年の総選挙から始まった制度は、基本は小選挙区制なんだけど、そこに比例制も組み合わせている。二大政党制をめざしているけれど、小さな政党も大切という考えを足したわけ。
ジャン 今回の総選挙でも、共産党や社民党が「いまの憲法を守れ」とうったえたのよね。
――長いあいだ政権をになってきた自民党も、民主党という強力なライバルがあらわれて、うかうかしてはいられなくなった。それは二大政党化のよさなんだけれど、大きな声にかき消されてしまいがちな意見を、どう政治に生かしていくかも大切な課題だ。
(03年11月22日)
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