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小泉政権 2003年の宿題

曽我 豪記者(朝日新聞政治部)

ケン

 冬休みの宿題っていやだなぁ。

曽我記者

 文句いわない。小泉首相だって、宿題をどっさりかかえているんだから。

ポン

 そうなの?

曽我記者

 4月をむかえると、小泉政権も3年目に入る。9月には、自民党の総裁をえらびなおす選挙があるかもしれない。これから、ますます大変になりそうだよ。

ジャン

 じゃあ、きょうは小泉首相の2003年の宿題の話ね。

 

むずかしい景気対策・拉致問題などどっさり

 ジャン どんな宿題がある?

 ―まずは景気対策だろうね。3月には、いろんな会社から「決算」という一年間の経営の報告書が出そろう。その内容を見れば、世の中の景気がどれくらい悪いかがわかる。

拉致問題に景気対策、不良債権の処理…。2003年も小泉首相の宿題はいっぱいです

 ポン それで。

 ―前に「補正予算」を勉強したよね。小泉さんは補正予算を使って、都市部のおもな道路を整備したりする公共事業で景気対策をし、仕事をなくした人がまた就職できるような対策もやることを決めた。3月の決算によっては…。

 ケン もっと景気対策を強めなきゃいけなくなる?

 ―うん。その一方で、金融大臣の竹中さんに、銀行がかかえる不良債権を早くなくす対策もまとめさせた。どちらも、日本の経済を立て直す大事な宿題だけれど、かたほうをがんばると、かたほうがむずかしくなる、という問題がある。

 ジャン なぜ?

 ―不良債権の処理を一気に進めようとすると、銀行が中小の会社から貸したお金を無理にとりもどそうとしたり、経営のくるしい会社に、ますますお金をかさなくなったりしそうだ。つぶれる会社も出るだろう。リストラも進んで、仕事をうしなう人がもっとふえると心配されているんだ。これでは、景気はよくならない。
 つまり、経済の病気があまりに重いと、不良債権の処理という、きつい治療はやりにくくなる。

 ジャン むずかしそうね。

 ―景気が悪いため、会社から政府に入る税金がへっていることも深刻だ。税金をとるしくみ(税制)をかえる案も決めているけど、まだ話し合いが必要だ。

 ポン ほかの宿題は?

 ―なんといっても朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による拉致問題の解決だ。小泉さんが北朝鮮をおとずれて、5人の拉致被害者が日本に帰国した。5人がそのまま日本にとどまることを決めたら、北朝鮮はそれに文句をいって、5人の家族を日本によぶ交渉など、話し合いが先に進まなくなった。小泉首相の力がためされる。

 ジャン 5人が早く家族と会えるといいね。

 ―うん。でも、北朝鮮はアメリカとの約束をやぶって核施設を動かそうとしている。アメリカとの関係がますますややこしくなれば、日本と北朝鮮の話し合いが、もっともたつくかもしれない。

 ケン パパがアメリカとイラクの関係も心配といってたけど。

 ―そうだね。アメリカはイラクとの戦争を準備している。日本には平和憲法があって、外国の戦争を直接手助けしてはいけないことになっている。それなのに、インド洋にすごく性能のいいイージス艦を送るなど、「ここまでやっていいの?」と疑問が出るような協力をしている。
 戦争は起きないことが一番だけれど、もし起きてしまったとき、日本はどんな態度をとるのか、国民の声にもよく耳をすまさないと、小泉政権はますます支持をうしなってしまうだろう。

 ポン ところで小泉さんはいつまで首相をやるの。

 ―小泉首相は、自民党のトップである総裁にえらばれて、首相になった。その総裁の任期が九月に切れるんだ。自民党議員の一部には、景気が悪いことなどを理由に「もう交代だ」といい始めた人もいる。そうなれば総裁選挙が行われる。

 ケン じゃあ、バトンタッチ?

 ―わからない。小泉内閣の支持率は落ちたけどまだまだ、ほかの政治家よりは人気がある。それに、小泉首相には「改革のじゃまをする人があまり多いようなら、衆議院を解散して総選挙をやり、国民に判断してもらう」という考えもあるみたいだ。

 ケン とにかく、ぼくたちも勉強をがんばるから、小泉首相もきちんと政治をしてほしいな。

(03年1月4日)


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