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曽我豪記者(朝日新聞政治部)
新聞もテレビも、小泉首相が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)をおとずれるっていうニュースで大さわぎね。
なんといっても、日本の首相として初めて北朝鮮を訪問し、トップの金正日総書記と話し合うからね。
ボクも勉強しちゃった。北朝鮮は、となりの朝鮮半島にある国なんだよね。でも、何を話し合うの?
日本と北朝鮮は、国どうし正式につきあいましょうという「国交」をむすんでいない。それをむすぶ方向に向かわせるためなんだけど、その前に話し合わなきゃいけない、いろんな問題があるんだ。
ケン なんで、国交がないの。
―太平洋戦争が終わるまで、日本が朝鮮半島を植民地として支配したのは知っているよね。戦後、朝鮮半島は北朝鮮と南の韓国に分かれたんだけど、韓国は日本と同じでアメリカと、北朝鮮は旧ソ連と、それぞれ関係が強かった。
ポン ふーん。
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| 金正日総書記(右、朝鮮通信社提供)と話し合うため、北朝鮮をおとずれる小泉首相(左)。会談が国交をむすぶ突破口になるか注目されています |
―「東西冷戦」といって、世界は、アメリカや日本などの西側と、ソ連を中心とする東側とに分かれて対立していたんだ。日本は、韓国とは1965年に国交をむすんだ。でも、東側の北朝鮮とは、冷戦が終わる89年までは話し合いをすること自体、むずかしかったんだよ。
ジャン 話し合いはいつ始まったの?
―90年に、自民党などの国会議員が北朝鮮の平壌を訪問し、国交をむすぶために話し合いを始めることを決めた。
ケン 10年以上も話し合っているってこと!? あんまり進んでないのかなぁ。
―91年に韓国と北朝鮮がいっしょに国連に加盟して、話し合いがうまくいくかと思ったら、93年には北朝鮮が中距離ミサイルをためし撃ちした。同じ年に北朝鮮は、核兵器などをふやさない国際的な約束「核不拡散条約(NPT)」からぬけた。核兵器を開発しているのではないかと、うたがわれるようになったんだ。
ポン ふーん。
―さらに97年に、新潟県の女子中学生が北朝鮮につれさられたんじゃないか、という「拉致疑惑」がうかんだ。つれさられた人はほかにも10人はいるとされる。98年に北朝鮮が長距離ミサイル「テポドン」を発射。99年には、北朝鮮のものとみられるあやしい船(不審船)が能登半島沖の日本の海に勝手に入る事件が起きた。
ジャン 次から次へ。それじゃ、うまくいかないわね。
―91年から2000年まで計11回の話し合いは、ほとんど進まなかった。北朝鮮は、国交をむすぶ前に、日本が戦争中に犯したあやまちを清算すべきだ、との立場をとってきた。日本が支配して朝鮮の人たちを苦しめたことの賠償をする(お金をはらってつぐなう)べきだといっている。
ケン 日本はどうなの?
―拉致疑惑やミサイル、不審船の問題をはっきりさせてから、という立場だ。
ポン じゃあ今度もうまくいかない?
―それはわからないよ。金総書記は、ほかの国のトップとちがってほとんど国際的な舞台に登場しない。日本と朝鮮の話し合いも、これまでは役人どうしで行っていて、金総書記は姿をあらわしていない。その人物が小泉首相と直接会うことを決めたわけだからね。
ジャン 急にどうしたのかしら。
―北朝鮮は食糧が足りず、経済的にとてもこまっているらしい。それにアメリカのブッシュ大統領から「悪の枢軸(中心地)」とよばれたことから、国際的に孤立することをおそれているようだよ。北朝鮮は日本との関係をよくして、経済的に助けてもらいたいと考えているのかもしれないね。
ケン うまくいく可能性もあるんだ。
―小泉首相が会って、けんか別れに終わったら国交をむすぶのはもっとむずかしくなるけど、世界の多くの国が日本と北朝鮮の関係がよくなってほしいとねがっている。17日の会談をみんなも注目して見ようね。
(2002年9月14日)
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