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勉強3割へって学力低下?

中田美和子記者(編集部)

ケン

もう二学期が始まる。まだ暑いし、勉強する気になれないなぁ。

ママ

何いってるの。夏休みに補習をした学校だってあるというのに。そんなことじゃ、ますます学力低下が心配になっちゃうわ。

ポン
ガクリョクテイカ……?

パパ

ことしから、学校で勉強する内容がへったろう。そのせいで、全国の親の4分の3が「子どもの学力が下がるのでは」と心配していることが、PTAの全国組織の調査でわかったんだ=グラフ。

ジャン

勉強する内容をへらして、「ゆとり」をつくるんじゃなかったの?

中田記者

そうだよね。「ゆとりと学力」をめぐるいまのようすを整理してみようか。

「ゆとり」のはずが親の4分の3が心配
日本PTA全国協議会しらべ。ことし6ー7月、全国の父母4777人が回答 イラスト・渋木暁子(スカラベスタジオ)

 ―この春から学習指導要領がかわったのは、もう知ってるよね。

 ケン うん。教科書がうすくなったことでしょ。

 ―まあ、そういうこと。学習指導要領は「この学年のこの教科では、こんなことを教えなさい」と、国が細かく決めたものなの。その内容が約三割へらされた。

 ジャン それでパパやママたちが心配してるのね。

 ケン 教科書がかわっちゃったから、いまさら心配してもおそいんじゃない?

 ―そう、すぐにはかえられない。でも、心配の声に耳をかさないわけにもいかない。それで文部科学省は「教科書の内容は、学校で習う最低限の範囲。わかる子には、もっとむずかしいことを教えてもかまわない」というようになった。

ことしの夏休みは、補習授業をする公立小学校も出てきました。教科書の内容をしっかり理解することや、教科書より進んだ内容にチャレンジするためです=東京都港区の青南小で

 ポン 教科書にないことをどうやって教えるの。先生はこまらない?

 ―だから文部科学省はあわてて、先生用に、算数や理科のテキストをつくることにした。教科書より一歩進んだ内容が中心。ことしから使われている教科書からけずった内容もふくまれていて、小学校の算数用のは、もうできている。

ケン どんなの?  

 ―たとえば5年生で、五角形や六角形の「角の大きさの和」を習うでしょ?

 ジャン あー、やったやった。三角形のそれぞれの角の大きさを足すと180度だから、五角形や六角形を三角形に区切って考えるのよね=図。

 ―そうそう。じゃあ、百角形なら和は何度になる?

 ジャン ???

 ―よく見ていくと、何角形かと「角の大きさの和」のあいだには、きまりがあることがわかる=表。

多角形の「角の大きさの和」をもとめる公式を考える

 ケン でもさ、別につくるくらいなら、教科書にのせればいいじゃん。

 ―ごもっとも。文部科学省も「この次に教科書をつくるときからは、学習指導要領をこえる内容をのせてもいい」といい始めた。

 ケン へらせとかふやせとか、ゆとりとかもっと勉強しろとか……。  

―文部科学省もゆれているよね。財務省にもとめる来年度の予算では、放課後に子どもの勉強の相談にのる態勢づくりなど学力対策のお金が77億円。今年度の予算のほぼ5.5倍の額よ。どれだけみとめられるかはわからないけどね。

 ジャン わたしたち子どもの学力は、本当に下がっちゃうのかしら。

 ―文部科学省はことし、全国の小中学生のうち49万人に大がかりな学力調査を始めたところ。この調査をつづけて、学力がどうかわっていくかを見て、またどうするかを考えるんだって。

 ケン 大人もまず、学力についてよーく勉強しないといけないんだね。

(2002年8月31日)


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