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政治編 曽我 豪記者(朝日新聞政治部)
パパが「これから、もっと健康に気をつけなくちゃいかんなあ」といってたけど……。
お医者さんにかかると、お金がいまより多くいるようになったんだってさ。ママはプンプンだよ。
この前の国会で成立した「医療制度関連法」の話だね。ジャンたちのパパはサラリーマンだから、たしかに大変だね。お兄さんもだけど……。
どうしてそんなことになったのか、ちゃんと説明して!
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法律があらためられ、来年の春から、お医者さんではらうお金がふえます。とくに、サラリーマンやお年よりの負担が多くなります。
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ケン 医療制度関連法って、よくわからないなあ。
―病院でみてもらったら、窓口でお金をはらうよね。でも、それは、かかった費用の1部だけなんだ。パパたちサラリーマンは、通院してみてもらっても、入院しても、費用の2割をはらえばよかった。ママやケンくんたち家族は、病院に行ったときは3割、入院は2割と決まっている。
ポン のこりのお金は?
―サラリーマンは、毎月の給料から、「健康保険組合」というところなどに保険料をはらっている。その組合が、集めたお金を管理し、サラリーマンやその家族がお医者さんにかかったときに、費用の7割から8割をはらってくれる仕組みになっている。
みんなも、病院でみてもらうとき窓口で保険証を出すでしょ? あれは、「たしかに保険に入っています」「その家族です」という証明なんだ。
ジャン その健康保険の決まりがかわるのね。うちの家族は、どうなるのかしら。
―全員、通院しても入院しても、費用の3割をはらうことになる。3歳から69歳までは、みんなそうさ。
ケン たとえば、かぜで病院に行くとどうなるの?
―厚生労働省が、ためしに計算したそうだ。パパなら、これまで1150円だったのが、1510円になる。きみたち家族は、1660円が1510円になるんだ。
ケン あれ? ぼくたちは安くなるじゃない。
―それは、薬のお金をはらわなくてすむようになるからなんだ。
ポン なーんだ。病気になってもへっちゃらだ。
―安心するのは早いよ。たとえば、盲腸炎(虫垂炎)で手術して一週間入院すると、パパもきみたちも、79.220円かかる。いまは、52.820円だ。
ケン 大幅アップだね! お年よりも大変になるって聞いたけど。
―70歳以上のお年よりは、いまだと、だいたい1割の負担ですむ。お医者さんにかかる回数が月に4回までなら、1回につき850円はらえばいい。
でも新しい法律では、そういう「これ以上もらいません」という制度はなくなる。ふつうは一割だけど、収入が多い人は2割を負担しなければならない。
ジャン どうして、そんなにお金を多くはらわせようとするの?
―国民みんなの病院代を全部たすと、2000年度だけで30兆3.583億円もかかった。
ケン くーっ! 目が回りそう。
―国民の病院代は、ほぼ毎年のようにふえている。その一方で、健康保険組合にお金を出している働き手は、だんだん少なくなり、かわってお年よりがますます多くなる。
ポン 高齢化っていうんだね。
―そう。このまま病院代がふえつづければ、健康保険組合のお財布が、パンクしてしまう。だから、国民の負担をふやして、パンクをふせごうと、政府は考えたんだ。
ケン それで、保険の仕組みはだいじょうぶなの?
―「間に合わせだ」「その場しのぎだ」という人も多いよ。国民の健康を守るのは国の大事な仕事だ。きちんと先々まで計画を立ててお金のやりくりを考え、公平な負担のしかたを考えてもらわないとね。きみたちのような未来の働き手にかかわる、大きな問題だから。
(2002年8月3日)
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