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社会編;星野 哲記者(朝日新聞電子電波メディア局ニュースデスク)
あら、市の広報紙に書いてあるこれ、なにかしら。
どれ? えーと「住基ネットが8月5日に始まります。8月中にみなさんに11けたの番号をお送りします」だって。
なにそれ?
国が、赤ちゃんからお年よりまで、すべての人に番号をつけて、コンピューターで管理するらしいの。
なんで、そんなことをするの?
えっと、ほら、あれよ。うーん。
こんにちは、なんの話をしているんですか。
あら、いいところに。じゃ、あとはよろしくおねがいします。
え?
ケン 住基ネットってなんのこと。
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アフリカのチャド共和国で見つかった約700万年前の猿人の化石(「ネイチャー」7月11日号」
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―最近、新聞やテレビでよく目にするよね。正式には「住民基本台帳ネットワーク」というよ。みんなの住所、名前、生年月日、性別などの個人情報は、自分が住む市や町などの役所に記録されている。「住民票」というんだけどね。この住民票を、家族ごとにまとめたものを住民基本台帳というんだ。
ジャン それに「ネットワーク」ということばがつくのね。
―そう。国民ひとりひとりに11けたの番号をつけて、「地方自治情報センター」という機関に住民基本台帳の情報を集め、コンピューターで管理する。番号は、役所がひとりずつ割りあて、8月なかば以降に市区町村からそれぞれの家庭へ知らせるそうだ。国や県、市や町などとセンターは専用回線で網の目のようにむすばれる。つまり、ネットワークができあがるわけだね。
ポン ぼくにも、番号がつくの。
―もちろん。ジャンやケンにもつくよ。おなじ番号にならないよう、コンピューターが、ばらばらに数字をふり分ける。「ぼく7777……がいい」っていっても、だめだけどね。
ケン ネットワークができると、いいことがあるの?
―政府は、「ネットワークでむすばれるから全国どこの役所でも住民票を受け取れるようになる」と説明している。つまりは国民にとって便利になる、ということのようだね。
住民票は、書かれている場所に住んでいることを証明するもので、海外へ行くパスポートをとるときなどに必要な書類だ。これまでは、住んでいる市区町村の役所でしか出してもらえなかった。
ジャン じゃあ、みんなよろこんでいるのね。
―いや、そうでもないんだ。8月5日にスタートする予定のネットワークに、いま各地の県や市などが「始めるのは先にのばして」と政府にもとめている。福島県矢祭町は、ネットワークには参加しない、と決めたんだ。
ポン なんで?
―個人情報がもれて、変なふうに使われるんじゃないかと心配しているんだ。個人情報の問題は以前にも話したよね。
ジャン 知らないところで、自分の情報が売り買いされるケースがある、という話ね。
―そう。コンピューターの情報をきちんと守る仕組みがまだできていないとか、役所の中に悪い人がいて、ネットワークからとった個人情報を悪いことに利用するんじゃないか、と不安に思う人が多いんだ。
防衛庁という国民を守るはずの役所が、個人情報を不正に集めていた事件も起きたしね。国のいうことは信じられない、という気持ちが国民に強まった。
ケン じゃあ、スタートはおくれるの?
―国会でも、野党だけでなく、与党の自民党の中からも住基ネットは見直した方がいいという意見が出始めた。でも、政府は「スタートをおくらせると準備にかけたお金などたくさんの損が出る」と、見直しにまっこうから反対している。
ポン ふーん。
―政府が、この住基ネットのことを国民に十分説明しないで、スタートさせようとしていることも大きな問題だ。国民みんなにかかわることなんだから、きちんと説明し、不安をなくす努力をしてもらわなきゃこまるよね。
(2002年7月27日)
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