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社会編;星野 哲記者(朝日新聞電子電波メディア局ニュースデスク)
ねえ、この応募用紙を送ると海外旅行が当たるんだって。送ろうよ。
えーと、住所に名前、年齢、家族の名前、給料はいくらか、趣味……。なんだかいろいろと個人情報を書かないと応募できないんだね。信用できる会社なのかな。
どういうこと?
個人情報をあつめて悪いことに使う会社や人もいるから気をつけないといけないのさ。
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防衛庁のリスト問題で、政府の個人情報のあつかいへの不安が広がっています。右上は中谷防衛庁長官(写真は合成です)
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ジャン そういえば最近、新聞で個人情報保護法案とか、個人情報のリストがどうしただとか、よく聞くわね。
ポン その前に、コジンジョウホウって何?
―名前や生年月日など、その人がどこのだれで、どんな人かという情報だよね。本当なら、親しい人や学校など以外は知らないはずの情報がいろいろなところで出回って、ときにはお金で売り買いされているんだ。
ケン えっ、お金で?
―うん。きみたちにも、全然知らない会社から「これを買いませんか」「そろそろ塾に通いませんか」といった手紙が来るでしょ。あれは、きみたちの個人情報がどこかで売り買いされているから、年齢や学年などに応じた内容の手紙が来るのさ。
ポン 気持ちわるーい!
―個人情報の中には、あまり他人に知られたくない情報だってある。たとえば、どんな病気になったことがあるか、どんな政党を応援しているか、どのくらい年収があるか。そういった情報はプライバシーというよ。
ジャン でも、どんなふうに個人情報を悪く使うの。
―たとえば、むかしある病気にかかったことが個人情報として売買されて、いまはなおっているのに、病気を理由に就職をことわられるとか、応援する政党を問題にされて会社をクビになるとか。個人情報、とくにプライバシーにかかわる部分は、使い方しだいで差別やおどしの道具にもなってしまう。
ケン なんだかこわいなぁ。
防衛庁のリストなど どう使われるかが問題
―もちろん個人情報をあつめること全部が悪いわけじゃない。ある年齢の人がどんなことに興味を持ち、どんな不満があるのかなどの情報は、社会の研究や新しい商品やサービスをつくるには必要だ。だから個人情報をあつめる会社や人が情報をどう使うか、本当に目的以外には使わないかを見分ける必要がある。
ポン どう見分けるの?
―きちんとした会社なら、ホームページなどで個人情報をどうあつかうかをちゃんと説明していることが多い。ちゃんとした団体から「この会社は安心」というマークをもらっている会社もある。それがすべてではないけど、ひとつの目安にはなる。
ジャン でも、なんだか心配だわ。
―そうした不安を受けて、いまの国会では個人情報保護法案について話し合われてきた。個人情報をきちんとあつかって、勝手に売り買いしちゃダメという法案だ。でも、新聞やテレビなどの取材活動をおさえつける心配があるとの批判や、防衛庁が個人情報リストをつくっていた問題などから、いまの国会で成立させるのを、どうもあきらめたらしい。
ケン 「個人情報リスト」って?
―自衛隊を監督する防衛庁という役所に、「防衛庁のことで知りたい情報があるので教えて」と法律にもとづいて求めた人について、その人がどんな人か防衛庁が勝手に調べてリストをつくっていた。情報を求めるときに必要のない生年月日や、その人が自衛隊のことをどう考えているかなどの個人情報だというよ。
ジャン それはどう使われたの。
―いま調べているそうだ。だけど、差別にもつながりかねない大きな問題だ。きちんとした調査結果が出るまで、みんなで見守る必要があるよ。
(2002年6月9日)
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