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経済編;星野哲記者(朝日新聞電子電波メディア局ニュースデスク)
東京の石原都知事はたいへんそうだなあ。「銀行税」の裁判で東京都が銀行に負けるとは……。大阪府も銀行からうったえられたし。
そうねえ。東京や大阪だけじゃなく、同じように独自の税金をつくろうというほかの自治体にも影響が出そうね。
ねえ、その銀行税って何?
銀行に都が特別にかけた税金のことなんだけど、うーん……。
おこまりのようですね。
おっ、いいところに来てくれた。じゃあ、あとの説明はたのんだよ。

銀行税をめぐって銀行と裁判であらそう東京都と大阪府。石原慎太郎都知事(左上)、太田房江府知事(右下)の対応が注目されています(写真は合成です)
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―税金って何か、知ってるかな。
ジャン 働いてもらったお給料の中から、国とかにはらうお金でしょ。そのお金で学校を建てたり道をつくったりするって習ったわ。
―正解! じゃあ、税金にはいろいろな種類があることは知ってるかな。消費税はみんなもはらっているよね。人だけじゃなく、会社も「法人事業税」という税金をはらっているんだ。
ケン ふーん、いくらはらうの?
―年に一度、会社の利益がいくらだったかを計算して決まる。ここで知ってほしいのは、利益には二種類あるということ。「本当の利益」と「見かけの利益」だ。社員の給料や工場を建てるためのお金など会社を経営するのに必要なお金を、もうけたお金から引いたのが「本当の利益」。引く前が「見かけの利益」だ。
ジャン 税金はどっちをもとに計算するの?
―ふつうは本当の利益だ。十年ほど前から銀行には不良債権といって、貸したけれど返してもらえなくなったお金がたくさんある。見かけの利益から不良債権の分を損としてさし引いているので、銀行の本当の利益は少なくなっている。
ケン じゃあ、銀行はあまり税金を国や都道府県にはらってないってこと。
―そう。東京都は税金がへってこまった。税金が少なくなれば、都民のために使うお金が足りなくなる。そこで石原都知事は二年前、銀行税を考え出した。「外形標準課税」という税のひとつだよ。
ポン うわー、漢字ばっかり。
―「外から見た利益に税金を課す」という意味だ。つまり、見かけの利益をもとに税金をはらってもらおうということ。石原知事のいい分は「銀行の見かけの利益は十年ほど前よりふえている。銀行だって都が整備した道路を使うなどしているのだから税金ははらうべきだ」。
ジャン でも、ほかの会社は見かけの利益では税金ははらわないんでしょ。不公平じゃないの?。
―銀行も同じことをいって反対した。十八の銀行が裁判で「この税金は法律に違反している」とうったえた。でも、国民のなかには石原知事の考えを支持する人たちもいる。
ジャン どうして。
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こんな税も
●宿泊税あるいはホテル税(東京都) ことし10月から。都内のホテルや旅館で1万円以上の部屋にとまった人に100円か200円はらってもらう
●河口湖の遊漁税(山梨県河口湖町、勝山村、足和田村) 河口湖で魚をつる人が、1日につき200円はらう
●一般廃棄物埋立税(岐阜県多治見市) 多治見市内にゴミを埋めている名古屋市に、持ちこんだゴミ1トンにつき500円ずつはらってもらう
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―銀行は、自分たちでつくった不良債権を処理するのに国から援助金を受けている。「公的資金」というよ。それなのに、不良債権をかかえるような経営をした責任をはっきりさせていない。
ケン でも、裁判では東京都が負けたんだね。
うん。三月に出た東京地方裁判所の判決は、銀行のいい分をすべてみとめた。同じ問題で裁判は三回できるから、東京都はもう一度裁判をするつもりだ。
ジャンママがいっていた「ほかの自治体にも影響が出る」ってどういうことなの?
―どの自治体も不況で税金がへって苦しいから、東京の銀行税にならって、独自の税金をつくるところがふえたんだ=メモ参照。
大阪府は東京都と同じ銀行税をつくった。ところが東京都の判決後、銀行は大阪府の税金も法律違反だとうったえたんだ。自治体が独自の税をつくるのがむずかしくなるかもしれないね。
(2002年4月13日)
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