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田中外相のクビで小泉政権は…

政治編;福田宏樹記者(朝日新聞政治部)

ジャン

小泉首相の人気がガタンと落ちちゃった。

福田記者

そうだね。朝日新聞社の1月の世論調査で72パーセントあった内閣支持率が、今月の調査では49パーセントにへってしまった。

ポン

なんで、そんなにさがったの。

福田記者

田中真紀子外務大臣をやめさせたことが大きかった。多くの人が「田中さんをやめさせるなんておかしい」と思ったんだね。小泉首相は、政権をつづけていくためにうんとがんばらないといけなくなった。

 

NGOしめ出しの問題はっきりさせないまま
外務大臣を交代させ、大はばに支持率が落ちた小泉首相。改革を進められないのではないかという声も出ています(写真は合成)

ケン;田中さんは、何か失敗をしたの。
 

―外務大臣として問題があったという人もいる。外国のえらい人との話し合いに遅刻したり、急にやめてしまったり。外務省の役人とも仲が悪かった。
 でも、やめさせられた直接の理由は、アフガニスタン復興支援国際会議をめぐるもめごとだ。

ジャン;1月に東京であった会議ね。

 

―そう。その会議に、あるNGO(非政府組織)が出席するのを、外務省がいったんことわった。NGOというのは、民間のグループのことなんだけれど、大臣の田中さんに相談もなく「しめ出し」が決まった。田中さんはおこって、すぐに出席をみとめさせた。

ポン;じゃあ、よかったじゃない。

―ところが、最初に「しめ出せ」といったのはだれかという問題で、国会が大もめになった。田中さんは、衆院議院運営委員長をしていた自民党の鈴木宗男さんが外務省に口出しをしたといい、外務省の野上義二事務次官もそれをみとめた、と主張した。
  だけど野上さんは国会で、「そんなことはいっていません」と知らん顔。鈴木さんも、口出しなどしていないとおこった。

ケン;みんなバラバラなんだ。

―国会での話し合いが進まなくなり、こまった小泉首相は、3人ともそれぞれ役職をやめさせた。

ジャン;それで本当のところはわかったわけ?

―はっきりしないままだ。ただ、外務省がNGOを会議に参加させないようにしたことはまちがいない。これからの外交は、国の組織と民間のグループの協力が大事なのにね。ましてや、力の強い議員の口出しを、外務省が「はい、そうします」ときいたのなら大きな問題だ。

ケン;そういうおかしなことを、ほうっておいて、田中さんをやめさせたのか。なんか、すっきりしないや……。

国民にガッカリ広がり 株や円も値下がりへ

―だから国民はガッカリして、その気持ちが内閣支持率にあらわれた。

ポン;支持率がさがると、こまるの?

―小泉首相はもともと、自民党の中に味方がそれほどいない。でも、国民の人気が高かったおかげで党のトップになり、首相にもなれた。

【小泉首相の構造改革】 

 政治や経済、国の財政などを仕組みからかえていくこころみ。約660兆円という国の借金をへらし、景気を回復させるのが目的です。
 道路をつくる、家を持ちたい人にお金を貸すなど、国のお金でしている仕事を民間の会社にまかせるなどして、国のお金が出ていくのを少なくしようとしています。国民にも、お医者さんにかかる費用を、いままでより多めに負担してもらうなどの「痛み」をもとめています。

  小泉首相の力のもとである国民の人気がなくなると、がまんしていた自民党の人たちがいいたいことをいい出し、「構造改革」=右記参照=を進めるのもむずかしくなるんだ。

ジャン;これからどうなるのかしら。

―小泉首相は「支持率がさがろうと、改革は進める」といっている。でも、今度のことで国民には「改革なんてできないんじゃないか」といううたがいが出てきている。
  株や円が値さがりしたのも、「小泉政権の先ゆきは心配」と感じる人たちがいっぱいいることのあらわれといえる。約束どおり改革をして、国民からの信頼をとりもどすのは大変そうだ。

(2002年2月9日)


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