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雪印食品のしたことって…

社会編;河原理子記者(朝日新聞日曜版編集部)

ポン

お父さんがね、「もう何を信用していいかわからないぞ」っておこって、また牛肉のおかずが出なくなったんだけど、何があったの。

河原記者

雪印食品という肉やハム、ソーセージを売っている会社が、オーストラリア産の牛肉を国産の牛肉の箱につめかえ、うそをついて国に買いとってもらっていたことがわかったの。ほかにも、北海道産の牛肉なのに「熊本産」ってラベルをはるなどしていたんだって。

ケン

うそ? 産地の表示って、かえていいの。

河原記者

そんなことはないよ。店で肉を買うときは、いつ処理されたどこ産の肉なのか、ラベルを信用してえらぶしかないでしょ。そこでうそをつかれたらおしまいだよね。今回の事件が食品業界にあたえた打撃は大きいと思う。

狂牛病を悪用し金詐取(さしゅ) 会社ぐるみの容疑濃厚
立ち入り調査のため、雪印食品の本社に入る東京都衛生局の職員=東京都中央区で

ジャン;どうして、オーストラリア産を、国産ってことにしたの?

―去年、狂牛病のうたがいのある牛が日本で見つかって、10月18日に全頭検査が始まった。この検査の前の国産牛肉は、狂牛病の牛の肉かどうかわからない。
  だから、市場に出さずに大きな生産者団体が買い上げて、冷凍保管したの。

ケン;でも、その肉はだれも買わないでしょ。

―そう。そこで、国がお金を出して、その肉を買いとることにした。その価格が1キロ1114円。ところが、オーストラリア産の牛肉は、1キロ600円から700円と安い。

ケン;ということは。

―オーストラリア産の牛肉を「国産です」といつわって買いとってもらえば、1キロあたり100円ぐらい得をする。だから、休みの日にわざわざ社員が倉庫で箱のつめかえをしたそうよ。

ジャン;狂牛病でもうけようとしたの? 信じられない。

―産地のすりかえが最初にわかった雪印食品の関西ミートセンターは、オーストラリア産の牛肉13.8トンを国産といつわって、日本ハム・ソーセージ工業協同組合にまず買いとってもらった。
 この組合は、早く食肉業者にお金を出してあげないとこまるだろうと考えて、国からお金をもらう前に銀行から借金して1キロあたり700円をわたしたの。結局、関西ミートセンターは約960万円も不正なお金をもらった計算になる。

ケン;詐欺じゃん。

―そう。関西ミートセンターのある兵庫県や、東京の警視庁、北海道の警察などの合同捜査本部が、全部で2億円近い詐欺のうたがいで捜査を始めた

ジャン;東京や北海道でも同じことをしていたの?

―そうなの。初めは「関西ミートセンター長の独断」、つまり勝手にやりました、と会社は説明していたのに、北海道でも関東でも似たようなことをしていたことがわかった。それだけじゃない。もう何年も前から、牛肉の産地をすりかえたラベルをはっていたことがわかったの。

農水省の甘さも問題 「食品安全庁」の案も

ポン;なんでそんなことするの。

―売れやすくするためなんだろうね。豚肉にも、うそのラベルをはっていたうたがいがある。

ジャン;産地の人にも牛や豚にも失礼だよ。

ケン;だけど、肉の産地って、すりかえてもバレないものなの?

―農林水産省の検査のあまさが問題にされている。全頭検査前の牛肉を買いとるときに、ごく一部の倉庫のごく一部の箱しか検査しなかったんだって。
  国会では、狂牛病に対する武部勤農林水産大臣の対応の悪さも追及された。

ジャン;こんなことが2度と起きないよう、どこが悪かったのか徹底的に調べてほしい。

―農水省は今月8日から、国の買いとり制度に申し出のあった国産の牛肉約1万2000トンが本当に国産牛かどうかをたしかめる検査を始めた=図参照
  小泉首相は、食品の安全を担当する組織が必要だと考えて、「食品安全庁」をもうける案も出てきているのよ。

(2002年2月16日)


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