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曽我 豪記者(朝日新聞政治部)
最近、新聞やテレビで「補正予算」ってことばがよく出てくるねえ。
友だちのお父さんが国の役所につとめているんだけど、補正予算の仕事で毎日徹夜だって聞いたわ。
でも、なんのことか、よくわからないや。
国が行うどんな仕事に、どれだけお金を使うかを決めたものが予算。それを年度のとちゅうでかえる作業だから、大変なんだ。小泉首相が、来年1月から始まる国会で成立させようとしている。きょうは「補正」もふくめて、国の予算のことを勉強しよう。
―国はいろんな仕事をしている。医療や福祉の制度づくり、外国とのおつき合い、国を守る防衛など、予算を見れば来年は国がどんな仕事をやるのか、それにどれくらいお金をかけるのかがわかるんだ。
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補正予算で景気はよくなるのでしょうか。景気対策として道路の整備(写真上)に使うお金をふやし、職業センターでは、仕事をさがす人たち(写真左)を助ける仕組みもととのえる予定だそうです |
ポン 予算はどうやって決めるの。
―毎年夏に財務省が各省庁と相談して大まかな枠組みを決めるんだ。これは前に勉強したけど、「概算要求」とよばれる。各省庁が「もっと仕事をしたいから、これくらいお金をほしい」ともとめ、財務省が「前年の実績からいうと、これしか出せません」とけずっていく。
ジャン 財務省が国の財布のひもをにぎっているのね。
ケン うちでいえば、ママだ。
―いつもクリスマス前後に、財務大臣と各省庁のトップどうしで話し合って最後の調整をする。そして、来年1月からの通常国会に予算案を出し、3月末から4月初めにかけて国会で成立すれば、予算が決まるというわけなんだ。
ポン ことしの予算はいくらだったの。
―2002年度の当初の予算は81兆2千300億円。前の年度にくらべ1.7パーセントへらした節約型だった。小泉さんは、国の借金をへらそうとしているので、道路や橋をつくるなどの公共事業にかかる予算を前の年度より約1割少なくしたんだ。
税収不足などで「補正」でもそのツケは将来に
ケン それで補正予算というのは?
―当初の予算を組んで毎年4月からスタートしたあと、思ってもみなかったことが起きることもある。たとえば、大きな災害が起きて対策費を出さなきゃいけないとか、景気をよくする対策がもっと必要だとか、思ったより税金の収入が足りなくなるとかね。
こうした予想外のお金が必要になったときに、あとからおぎなって組むのが補正予算なんだ。
ジャン ことしは、どうして補正予算が必要になったの。
―最初は、不況で会社のもうけがへって、会社がはらう法人税などの収入が2兆円以上足りなくなりそう、というのが理由だった。
それだけなら、予算をへらす方法もあったけれど、そうすると、世の中に出回るお金の量がへって景気にわるい影響をあたえてしまう。だから税金による収入の不足分の2兆円ほどを追加し、さらに景気対策で3兆円くわえよう、という話になったんだ。
ケン 景気対策って、どんなことをするの。
―3兆円は、都市部のおもな道路を整備したりする公共事業に半分、不景気で経営に苦しむ会社を助けるのと、仕事をなくした人がまた就職できるようにする対策に半分、という計画だ。
ジャン この補正予算で、景気はよくなるの。
―補正予算は1990年代以降、毎年のように景気対策で組まれてきたし、その中身は公共事業が中心だった。でも景気はいっこうに回復していない。いまは公共事業にお金をかけても効果はない、という学者も多いんだ。それに、補正予算に使われるお金は国の借金から出されるんだ。そのツケは将来、きみたちが背負うことになるかもしれない。
ケン でも、きょうは勉強になった。ボクもおこづかいの「補正」を要求しようかな。
ママ ダメよ。
(02年12月2日)
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