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狂牛病ってなんなの?

社会編;河原理子記者(朝日新聞日曜版編集部)

ジャン

しばらくの間、牛肉が給食に出なくなるの。ミートソースも豚肉だけなんだって。

河原記者

きっと狂牛病の影響ね。東アジアで確認されたのは初めてなの。

ケン

先生から「安全がたしかめられるまで牛肉はひかえておこう」と説明されたけど。

河原記者

学校給食に牛肉を使うのを見合わせる動きは、各地に広がっている。

ポン

牛を食べると病気になるの?

河原記者

あわてないで。わからないことが多いうえに、これまでの国の対応がまずかったから、不安な気持ちになるんだと思う。

タンパク質の異常から脳や神経がおかされる
うたがいがもたれていた牛は狂牛病だったと、イギリスの研究所の診断結果を発表する農林水産省の職員=22日、東京・霞ヶ関の同省で

ジャン;どんな病気なの?

―狂牛病にかかった牛は、もつれるようにたおれ、自分で立てなくなるといった症状が出る。全身がまひして最後は死んでしまう。

ポン;かわいそうだね。

―「プリオン」というタンパク質が体の中でおかしくなるのが原因なの。

ケン;脳がスポンジみたいになるって聞いたけど。

―異常型プリオンがふえると、脳や神経がおかされる。病気の牛の脳を顕微鏡で見ると、細かいあながたくさんあいて、スポンジのように見えるそうよ。

ジャン;どうやって、ほかの牛にうつるのかしら。

―牛は草を食べる動物だけど、栄養を高めるため、肉をとった後の牛の骨や内臓を粉にした「肉骨粉」をエサにまぜる場合がある。狂牛病の牛からできた肉骨粉だと、元気な牛が感染するおそれがある。

「人にも感染の可能性」英政府発表で大さわぎ

ケン;海外でも問題になったんでしょ。

―うん。狂牛病は1980年代後半にイギリスで見つかった。人間は感染しないと考えられていたけど、イギリス政府は96年に「狂牛病の牛を食べた人も病気になる可能性がある」とみとめた。
 神経などがおかされ、ぼけたような状態になって亡くなるかもしれないと発表されて、大さわぎになった。「狂牛病がうつったのではないか」とうたがわれる病気で亡くなった人が、何人もいる。

ポン;病気の牛の肉を食べたり、牛乳を飲んだりしても、うつるの?

―異常型プリオンは、狂牛病の牛の脳や目玉、せき髄、小腸の一部などに集まる。牛乳やふつうのお肉は安心といわれている。

日本での発生は原因不明 対応悪く不安が広がる

ジャン;狂牛病の牛は日本に何頭いたの?

―いまのところ一頭だけ。北海道でうまれて、千葉県内で育てられていた。

ポン;それだけなら、きっとだいじょうぶだよね。

―その1頭だけが特別なエサを食べていた、とは考えられない。でもその牛はいまのところ、肉骨粉を食べた形跡がない。どこで感染したかわからないの。

ケン;それじゃ、原因がつきとめられないよ。

―だから不安が広がっているの。国の対応もよくなかったし。

ジャン;どういうこと?

―農林水産省は初め、「狂牛病とうたがわれる牛がいるけれど、すぐに焼いて処分しました」と発表した。
 でも実際には、肉骨粉にされていたの。鳥や豚用のエサで、出荷はされていなかったようだけど。

ポン;うそー!

―農水省は今月になって、農家が肉骨粉を牛のエサに使うことを禁止した。
 でも、それまでは「使わないで」という指導だけだった。 だから、その後の調べで、肉骨粉を使っていた農家が、いくつも見つかった。

ケン;信じられない。どうすればいいのかな。

―異常型プリオンは、年をとると体内にたまるから、2歳半以上の牛はすべて、食肉にするときに狂牛病の検査をすることにしたそうよ。狂牛病は、症状が出るまでに長い時間がかかるから、元気そうでも検査する必要があるわけ。これは10月下旬からスタートするらしい。

(2001年9月20日)


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