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概算要求ってなに?

経済編;駒野剛記者(朝日新聞経済部)

ジャン

最近、ニュースで「概算要求」ということばが、よく出てくるわね。

ポン

ガイサン……。どういう意味なの。

駒野記者

省庁(国の役所)ごとに「来年度はこんなことをしたいから、これだけお金がかかります」とまとめたも のを、国の財布をあずかる財務省に出した、ってことなんだ。

ケン

お母さんに「お菓子を買うから、お金をちょうだい」とおねがいするのに似ているね。

駒野記者

でも、「あれもほしい、これも買って」といったら、お母さんの財布がパンクしちゃうよね。国も同じさ 。省庁の要求通りに出したら、どんなにお金があっても足りなくなっちゃう

税金と国債を財源に公共事業や社会保障
財政の会議にのぞむ小泉首相。これからの予算づくりで力量が問われます

ジャン;お金を出すにしても限度があるってことね。

―その通り。まず、国にいくらお金があるかを考えて、それをもとに「これぐらいだったら出せる」と判断するわけさ。

ケン;国には、どんな形でお金が入ってくるのかな。

―大きく2種類ある。ひとつは税金。

ポン;お菓子の値段の5パーセント分が取られるやつでしょ。

―うん、それは消費税。ほかにも、お父さんたちがもらう給料などにかかる所得税、企業のもうけにかかる法人税などいろいろあるよ。

ジャン;もうひとつは?

―国民などからお金をかりるしくみさ。「国債」という証券を発行して、何年後かに返すんだ。このふたつをもとに、国がどれぐらいだったらお金を使えるか、大枠を考えていくんだ。

ケン;でも、どれとどれを優先させるとか、「これは必要」「これはいらない」とか、どんなふうに考えていくの?

―役所の要求には、急いでやらなくてもいいものや、昔は意味があったけど、いまはそうでもないものなどがまじっていることが多い。それをきちんとより分けて、実際の予算をつくるんだ。

ポン;ずいぶんたいへんそうだね。

―政府としての予算案がまとまるのが、ふつうは年末ごろだ。この案を国会で議論して実際の予算にするかどうかを決める。概算要求は、予算づくりの第1段階だね。

ジャン;ことしの概算要求はどのぐらいだったの?

―今月11日に開かれた大臣たちの会議で報告されたものでは、来年の予算全体で84兆8992億円。橋や道路などをつくる公共事業関連が9兆2363億円、医療などの社会保障なども大きなウエートをしめているね。

ケン;国民のために使われるってわけだよね。

―基本的にはね。でも、やっかいな問題があるんだ。

ポン;なんなの?

―これまで、経済がふるわないことを理由に、国がいろいろな仕事を手がけてきたけど、そのためのお金を得るために国債がふえているんだ。

ジャン;さっき話していた国民からの借金ね。

つみかさなった国債費 小泉改革の足ひっぱる?

―借金はただではできなくて、もともとの借金のほかに利子をはらわないといけない。この費用を国債費というんだけど、これが18兆3546億円もあって、ことしの予算より1兆2千億円近くもふえてしまっている。

ポン;それって問題なの。

―借金を返すのがたいへんで、お金を使いたい事業があってもけずらなくてはいけなくなる。福祉を充実させたり、教育や科学振興に力をつけたりしたいと思っても、借金を返す分だけきりつめないとだめなんだ。

ケン;小泉純一郎首相の改革と予算とは関係があるの。

―もちろん。小泉さんは「借金にたよっていては将来たいへんなことになる」と、来年度の予算でも新たな借金を少なくしようとしている。公共事業の概算要求も出された額より10パーセントけずったりした。

ジャン;それで大丈夫なのかしら。

―株の値段がさらにさがって、景気がこれ以上、冷えこまないよう、予算の中身の見直しをもとめる声が出ている。でも、予算の元になるお金はかぎられているから、小泉さんがへらそうとしている国債の発行につながりかねない。「痛みにたえる改革」というキャッチフレーズもぐらついて、小泉さんへの高い国民の支持もあやうくなるかもしれないね。

(2001年9月16日)


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