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外務省の公金流用事件

社会編;河原理子記者(朝日新聞日曜版編集部)

ジャン

最近、外務省の人が国のお金を勝手に自分のものにしたっていうニュースばかりね。

河原記者

ええ、いろいろな事件が次々に明らかになっているわ。

ケン
お父さんも「今度はケニア大使館か」とおこっていたよ。

河原記者

ケニア大使館の職員だった3人のことね。国がはらう必要はないのに、ごまかしてお金を請求して、家具をかりるお金などをもらっていたのよ。

ポン

国民のお金なのに……。

河原記者

外務省はこのほど、「この3人の給料を3ヶ月の間へらします」と発表した。お金はかえしたらしいけど、信頼を取りもどすのはたいへんね。5億円を自分のものに 秘密のお金を 勝手に使う

総領事が国のお金を自分の買い物に使うなど、不祥事が相次ぐ外務省。国民からの信頼がゆらいでいます(写真は合成です)

ジャン;同じような事件がほかにもあったんでしょう。

―最初にわかったのは、外務省で「要人外国訪問支援室長」をしていた松尾克俊という人の詐欺容疑事件だった。

ポン;「ヨウジン」って火の「用心」?

―首相などの重要人物のことよ。要人が外国を訪問するとき、室長がホテルを手配したりお金を精算したりしていたの。ホテル代を実際より何倍も多くして請求し、約6年間で5億円、国からだましとったことがわかったというのよ。

ケン;5億円も何に使ったの?

―自分のお金とごちゃごちゃになったようだけど、競走馬やマンションを買ったらしいの。

ジャン;どうして、気づかれなかったのかしら。

ポン;ぼくが買い物にいくと、お母さんが「レシートは?」と聞くから、ないしょでお菓子を買ってもばれちゃう。

【機密費】

 どの省庁(国の役所)も「報償費」として予算をもらっていますが、金額が大きいのは、外務省の「外交機密費」と、内閣官房の「官房機密費」。
  外交機密費は、外国との交渉に必要な情報を集め、話し合いをうまく進めるために使うお金のこと。どう使ったかを証明する領収書などを出さなくてよく、部署ごとにいくら割り当てられたのかなども明らかにされていません。
 官房機密費は内閣官房長官が責任者で、国会議員へのお祝い金や見舞金、会食費などに使うといわれています。どう使ったか証明しなくてよいことになっています。

―この室長は「機密費」(メモ参照)という、秘密あつかいのお金の管理をまかされていた。だから、レシートなしで精算できたの。

ケン;秘密って?

―国と国は秘密の交渉をする場合もあるから、こっそり使えるお金も必要、ということかな。

ジャン;ホテル代が秘密だなんて、へんな話ね。

うその請求書作りも 対策後も処分かくし

―請求書や領収書があっても、その内容がでたらめだった事件もあった。

ポン;何それ?

―去年の九州・沖縄サミットでの話よ。外務省の課長補佐らが、実際の何倍もハイヤーを使ったように見せかけた、うその請求書をハイヤー会社につくらせた。外務省から約2200万円をだまし取ったうたがいで逮捕されたの。

ケン;手がこんでるなあ。

―外務省職員がホテル側にうその請求書をつくらせていたのでは、といううたがいも出ている。さらに、アメリカのデンバー総領事は、国のお金約1千万円を自分のことに使っていた。この総領事はお金をかえして、7月に外務省をやめさせられた。

ジャン;お金にからむ問題ばかりね。

―まだあるの。パラオ大使館員も約150万円を……

ケン;もういいよ。で、外務省は何か手を打ったの?

―外部の人をくわえて大使館などを調べるといった対策をまとめた。責任をとる形で8月初めに幹部もかわったけど、その後でパラオ大使館員の処分をかくしていたことがわかった。

ポン;外務省の人って、税金を自分のお金だと思っているんじゃないの。

―外務省は機密費を来年度は4割ほどへらす考えよ。でも、みんなのように国民の多くが外務省に不信感を持っている。お金に対してもっと誠実な態度にあらためます、としめすことが大切ね。

(2001年9月1日)


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