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長い任期でじっくり日本の将来を考える

政治編;坪井ゆづる記者(朝日新聞政治部)

ジャン

知らないおじさんやおばさんのポスターが、あちこちにはってあるけどなにかしら。

坪井記者

「気候変動枠組み条約第6回締約国会議(COP6)再開会合」という会議があったのよ。

ケン

小泉純一郎首相のポスターも多いけど、小泉さんも立候補しているの?

坪井記者

小泉さんは衆議院議員だから、参議院選挙には出ていない。自民党のリーダーとして、なかまの候補者を応援して全国を回っている。民主党の鳩山由紀夫代表ら各党の党首たちも走り回っているよ。

ポン

「シュウギイン」と「サンギイン」って?

坪井記者

それぞれの制度や役割には大きなちがいがあるんだよ。

衆議院と違い、解散なし 3年に1度、半分かわる

参議院の選挙戦。大勢の人たちがあちこちの街で、候補者の演説に耳をかたむけます=東京・銀座の歩行者天国で

ジャン;なにがちがうの?

―議員の数や任期の長さ、何歳になったら議員になれるかなどがちがうね。衆議院は480人で、任期は4年。25歳以上なら立候補できる。参議院は247人で、任期は6年。30歳以 上じゃないとダメなんだ。

ケン;参議院は人数が少なくて、任期が長いってことか。

―ほんとうは、役割のちがいがいちばん重要なんだ。

ポン;どういう意味?

―大ざっぱにいうと、衆議院は国民がいま考えていることを直接、政治にいかそうとする役割が大きい。参議院は、もっと長い目で国の将来を考えようとする。

ポン;……。

―たとえば、国民の意見がまとまらない大きな問題が起きたとき、衆議院の選挙をやって、みんなの考え方を聞く。これを衆議院の解散・総選挙というんだ。税金の使い道を決める「予算」や外国との約束ごとの「条約」、首相をだれにするのか、といった問題も基本的に衆議院が決めるよ。

ジャン;じゃあ、参議院は?

―3年に1度、 議員の半分ずつをえらびなおすけど、解散はない。その分、衆議院よりじっくり話し合いができるよね。しっかりした考えの持ち主が集まるという意味で、参議院は「良識の府」ともいわれる.。

ケン;ふたつも必要なのかな。

―議会がふたつあるのは、国の大事な法律や方針を決めるには、いろいろな立場の人、より多くの人の意見を聞いて論議するのがいい、と考えているからさ。「二院制」っていうんだよ。
 衆議院の話し合いで、多数決で決まったことが、参議院ではまれに「ダメ」となることもある。その場合は、衆議院の議決が優先されるけれど、いろいろな意見が出せることは、民主主義ではとても大事なことなんだ。

ポン;ぼくたちの学級会でも、同じだね。

 【選挙制度がかわった】
 
 お父さん、お母さんが投票所に行くと、2枚の投票用紙がくばられます。1枚は都道府県ごとの「選挙区」の用紙。よいと思う候補者の名前を書きます。もう1枚は「比例代表」。今回の選挙から、政党の名前を書いても、候補者個人の名前を書いても、どちらでもいいことになりました。
   これまでの比例代表は、政党の名前を書きました。集まった票の数におうじて、A党は○○人、B党は○○人と議席が割りふられ、政党があらかじめ決めた名簿の順位にしたがって当選者が決まるしくみでした。名簿にしばられるので、「拘束(しばること)名簿式」とよばれました。
   新しいやり方では、比例代表でも、個人名でたくさん票を集めた人から当選します。名簿にしばられないので、「非拘束名簿式」といいます。

―でも、いまは衆議院も参議院も、自民党や民主党といった政党同士があらそっていて、いっていることも、やっていることもほとんどかわらない。だから、参議院はいらない、という考えもある。

判断難しい今回の選挙 小泉さんの改革が争点

ジャン;ところでお父さんたち、選挙に行くのかしら。

―今度の選挙はむずかしい面があるからね。よく考えて投票すると思うよ。

ケン;なにがむずかしいの?

―国民に人気のある小泉さんが「改革しよう」とはりきっているよね。だけど、小泉さんは、なにを、どうかえていくのか、その中身をはっきりとはしめしていないんだ。自民党のなかにも、小泉さんの改革に反対しそうな人もいるしね。

ポン;ややこしいなあ。

―おとなたちは、候補者が当選したら実行しますといっていることをよく聞いて、だれに投票するか判断しなくちゃいけない。有権者にとってむずかしい選挙になりそうだ。

(2001年7月21日)


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