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日本にいるアメリカ兵を特別あつかいに

社会編;河原理子記者(朝日新聞日曜版編集部)

ジャン

沖縄にいるアメリカ兵を逮捕するとか、逮捕できないとか、ニュースに毎日出ていたけれど、なんのこと?

河原記者

日本にアメリカ軍基地があることは、知ってる? その4分の3は沖縄県にあるんだけど。

ケン

そういえば、春休みに沖縄に行ったとき、広い広い基地があったよ。

河原記者

日本とアメリカは「日米地位協定」という約束をしていてね。日本にいるアメリカ兵が基地の外で事件を起こしても、日本人が同じ事件を起こした場合のように逮捕されたりはしないの。

犯罪をおこすと軍が管理 取り調べしにくく帰国も

沖縄署に入る容疑者のアメリカ兵を乗せた車。逮捕が決まってから5日目でした=6日、沖縄市で

ジャン;兵隊じゃなくて、日本で暮らしているアメリカ人でも逮捕されないの?

―いやいや、どこの国の人であっても、ふつうは、日本で事件を起こしたら日本の制度で調べられ、裁かれるの。

ケン;要するに、アメリカ兵だけが特別あつかいされてるんだ。それじゃあ、アメリカ兵が犯人らしいときは、日本の警察はどうやって調べるの。

 ―アメリカ軍がその人を管理しているから、アメリカ軍基地から日本の警察署に通ってもらう形で、事情を聴くの。
 それでいよいよ、その人の犯行の可能性が高いから裁判にかけて調べましょう、と決まったら、日本側がその人の身がらを拘束(つかまえて自由をうばうこと)して調べることができる。それが、日米地位協定。

ポン;それだと、こまることがあるのかな。

―取り調べの日も基地に毎晩帰るから、もし共犯者がいたら、夜に情報交換をしたり、口裏を合わせたりできるでしょ。それに、犯人かもしれない人は勝手に日本から出ないようアメリカ軍側が気をつけることになっているんだけど、犯人らしきアメリカ兵がアメリカに帰った例もあるの。

ケン;それはひどいよ。

凶悪な事件で運用見直し 逮捕できないケースが多い

―1995年に沖縄で小学生がアメリカ兵におそわれる事件が起きたときに、みんながとてもおこって、日米地位協定の運用のしかたはほんの少しだけ見直されたの。
 凶悪事件では、裁判にかけると決まる前でも、犯人らしき人を日本側に引き渡すよう、アメリカ側が「好意的」に対処することになったの。

ジャン;それで、今回は?

―女性が乱暴される事件があったのが先月29日。警察がアメリカ兵逮捕を決めたのが7月2日。逮捕が6日。

ケン;どうして逮捕されるまでに日数がかかったの。

―アメリカ側は初め、アメリカ側の通訳と弁護士の取り調べ立ち会いや、取り調べの時間制限を求めた。日本側は、それは日本のいつものやり方とちがうから、弁護士やアメリカ側通訳の立ち会いに反対した。結局、立ち会いなしで、折り合った。

ジャン;アメリカ兵は犯行をみとめていないって、パパはいってたけど。

―うん。でもことしの初めにあった沖縄の連続放火事件では、アメリカ兵が放火をみとめていたけれど、逮捕できなかった。98年に、女子高生がアメリカ兵にひき逃げされたときも、逮捕はできなかった。

ポン;その協定、かえられないの?

―いまのところ、小泉首相の口からも協定そのものをかえようという積極的な発言は出てこないわね。

(2001年7月14日)


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