社会編;田中基之記者(朝日新聞運動部)
日本と韓国が開くサッカーのワールドカップ(W杯)まであと1年ね。
アジアで開かれるのも、ふたつの国が共同で開催するのもW杯では初めてなんだ。
早くみたいなあ。準備はもう、バッチリなんでしょ。
それがね、大会の準備にはお金がかかるんだけど、それをどうやって集めて、どう使うか、関係者は頭をいためているんだ。
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「開催地のひとつ神奈川県横浜市が大会に向けて市民からアイデアをつのるためもうけたサッカーボール形の意見箱。=横浜・みなとみらいで
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ポン;いくらぐらいかかるの。少しならぼくのおこづかいを出すけど。
―607億円。これでも足りないかもしれないから、日本の組織委員会は開催地がある10の自治体に「もう一億円ずつ、出してください」とおねがいしていたんだ。
ジャン;おこづかいのレベルじゃないわね。どうしてお金で苦労するのかしら。
―大会を主催するのは国際サッカー連盟(FIFA)。ここから、日本組織委員会へはらわれるお金が少ないから、こまっているんだ。
もともとの計画では、大会を開くのに634億円かかるとしていたけど、27億円もけずった。
ケン;大会のマスコットがついたグッズを売って、それを費用にしたら?
―それがだめなんだ。マスコットや公式マークを使った商品がいくら売れても、組織委員会には1円も入ってこないしくみになっている。FIFAから組織委員会へ入ってくるのは、分配金の1億ドル(約110億円)だけなんだよ。
ポン;準備にかかるお金の20パーセントほどだね。
―分配金にくわえて、日本組織委員会に入ってくるお金は、入場料の収入が約249億円。宝くじやサッカーくじのもうけなどから計90億円もらい、寄付金で41億円と見こんでいる。それでも足りないから、試合が行われる自治体に1億円をさらに出してもらおうと、去年の12月からおねがいしていたんだ。
ジャン自治体はOKしたのかしら。
―先月下旬に受け入れた。財政事情がきびしいから反対していたけど、はらわざるをえなくなったという感じかな。追加分を今年度の予算にくみいれていなかった埼玉県、宮城県、茨城県、新潟県、札幌市は近く予算を組みなおすらしいよ。
ケン;ところで、試合が行われる自治体の数はどうして10なの?
―日本はもともと、自分たちだけで大会を開こうと考えていた。そのとき、15の自治体が「うちで試合をして」と手をあげたんだ。ところが、韓国との共同開催になってFIFAから割り当てられた会場数は「6から10」。日本はいちばん多い10をえらんだけれど、これがお金が足りない原因のひとつでもある。
ポン;えっ、どうして?
―たとえばおなじ競技場を新たにつくるにしても、6か所より10か所の方がよけいにお金がかかるからさ。日本組織委員会は、収入の範囲内で大会をやるので、支出が収入を上回る赤字になることはないといっているけど、どうなるかわからないよ。
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