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社会編;市川 博正記者(編集部)
たいへんだ! たいへんだ! コンビニにお菓子を買いに行ったら、いつも食べていたチョコやキャラメルがなかったよ。
アイスもクッキーも、ほしいのがなかったんだ。
お店の人に聞いたら、法律でみとめられていない材料がたくさんの食品に使われていたので、品物をかたづけたんですって
香料をつくる会社が、食品衛生法という法律に違反して、安全かどうかわからない原料を使っていたことがわかり、大きな問題になっているんだ。この法律を「もっときちんとしよう」という動きも出てきたよ。
お菓子の安全のことなら、ぼくたちにも大問題だ。
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| 買い物客に商品の回収を知らせるはり紙=兵庫県神戸のコープ神戸「シーア」で |
ジャン まず、その事件のことを教えて。
―協和香料化学という会社がある。食品の香りづけに使う「香料」をつくり、いろいろな食品会社に売っている。この会社の茨城工場が、香料の中に、食品衛生法で使うことがみとめられていない原料をまぜていたことがわかった。
協和香料化学の香料を使っている会社は約180社にのぼる。お菓子だけじゃない。パンやレトルトカレー、調味料、飲み物など、いろいろなものに使われていた。たいへんな「回収さわぎ」になった。協和香料化学は、食品衛生法違反のうたがいで、営業してはいけないと命令された。
ケン ちょっと待って。食品衛生法でみとめられていない原料っていったけど、それは体に悪いものなの?
―今回問題になった原料は5種類ある。中には、「がんの原因になるのではないか」「内臓をいためるのではないか」などとうたがわれている物質もふくまれている。
ジャン こわーい! 知らずに食べちゃった人はどうなるの。
―5種類はどれも、使われていた量はわずかで、健康に害はないと、厚生労働省はいっている。
ポン じゃあいいじゃない。
―そうはいかないよ。食品衛生法は、みんなが安心して食べ物を口にできるようにする法律だ。食中毒や伝染病が起きないように、食べ物をつくる器具のあつかい方や、食べ物の保存方法などを決めている。もちろん、体に害のある原料が使われないようにするのも大切な役目だ。検査をして「これは食べても安全ですよ」とわかった原料しか、使うことをゆるさない。
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問題の香料がふくまれていたお菓子が回収されて、「虫食い」のようにあいたお菓子のたな=東京都内のスーパーで
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ジャン そういう法律があるのに、なぜ今度のようなことが起きたの。
―そこなんだ。この法律の問題点がうかびあがってきたよ。
ポン どんな?
―いまの食品衛生法では、香料をつくる会社は「わたしたちは、この原料を使いたいと思います。安全かどうか調べてください」と、自分から厚生労働省にたのんで、検査をしてもらう仕組みだ。その検査には、何千万円、ときには何億円ものお金がかかる。
ケン ええっ〜〜! じゃあ、手つづきがめんどくさいとか、お金がかかるのはこまるとか思った会社が、こっそり、安全かどうかわからない原料を使っても、バレないってこと?
―そうなってしまうねえ。協和香料化学は、32年も前から、みとめられていない原料を使っていたと、社長がみとめている。「アメリカではみとめられている」「いいことではないが、ちょっとだから」「かわりの原料がなかなか見つからない」などといいわけをしているけれどね。
ジャン 協和香料化学だけの問題じゃないわね。
―その通り。香料は、食品に少ししか使われていないので、検査がむずかしい。香料の原料までチェックする仕組みが、いまの食品衛生法には欠けている。
ケン このままだと、また同じようなことが起きるかもしれないね。
―そこで、政府も動き出した。食べ物の安全をきちんと守ろうと、来年度のうちに、食品安全委員会という組織をつくることを決めた。食べ物に使われる物質が人間の体にどう影響するか科学的に調べ、役所にアドバイスをする。厚生労働省も、食品衛生法を大幅に見直すことを決めている。
ポン 早く安心してお菓子を食べられるようにしてほしいな。
(2001年6月17日)
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