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政治 社会編 前田奈津子記者
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| 三番瀬に面した船橋海浜公園前の干潟で、潮干狩りを楽しむ家族連れ。ここは、うめ立て反対の声が多く見直し案では守られることになりましたが・・・
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この前のお休みの日にお友だちと潮干狩りに行ったの。千葉県船橋市沖で、貝がたくさんとれたわ。
東京湾の奥にひろがる「三番瀬」のことね。船橋、市川、浦安市にまたがる干潟と浅瀬をさすんだけど、この場所に、うめ立て計画があるのは知ってる?
知らない。でも、渡り鳥のえさ場所にもなっているんでしょう。生きものに影響がないか心配だよ。
そうね。いまは全国的に開発より環境を守ろうという声が高まっている。三番瀬についても、本当にうめ立てが必要かどうか議論がつづいているのよ。
ポン;三番瀬ってどんなところなの?
−潮が引けば陸地になる干潟と、水深5メートル以下の浅瀬の約1600ヘクタールをさすの。東京ドームのグラウンドが1200面以上入る広さよ。
ケン;広いなあ。どんな生きものがいるの?
―アサリ、ゴカイ、カレイ、スズキ、ボラ、アカエイ、ギンポ、シロチドリ、ミヤコドリ、スズガモ・・・言いきれないな。千葉県が2年前に発表した調査では約100種の魚類(周辺の海域をふくむ)と89種の鳥類が確認されている。
チュウサギ、セイタカシギなど、まれにしか見られない5種類の鳥もいることがわかっている。漁業もさかんで、人が生活していく上でも大切な場所なのよ。
ジャン;どうして埋め立て計画が持ち上がったの?
―千葉県が最初に計画を発表したのは、いまから40年前の1961年。経済の発展をまっ先に考えた時期だった。東京湾を埋め立てて工業地帯にしようとしたのよ。
ポン;高度成長期っていうんだっけ?
―そう。でも石油産出国からの輸出が制限された73年のオイルショックで景気が悪くなると、埋め立ての目的を、住宅や公園も含む町づくりのためとしたの。
その後しばらく計画は進まなかったんだけど、93年に港や下水道処理施設、住宅などをつくるために、740ヘクタールをうめ立てる計画を発表。東京と千葉を結ぶ2本目の高速道路もつくろうと考えたのよ。
ポン;三番瀬の半分近くだね。魚たちの住む場所がなくなっちゃうよ。
―ポンくんように豊かな自然がこわされるのを心配する声が多くなって千葉県はうめ立てによる環境への影響を調べた。その結果、干潟の9割がうしなわれ生きものにも大きな影響をあたえることがわかったの。99年、うめ立て面積を101ヘクタールに縮小する案を発表。最初の計画の7分の1の広さね。
ジャン;なにがどう変わったの?
―周辺の人口が減ったのでごみ処分場の計画は中止、下水処理場は規模を小さくし、港をつくるための用地も最小限にした。うめ立て地の真ん中を通る予定だった高速道路もコースを変えて環境への影響を少なくした。人が海に親しめるようにと、人工海浜の整備も計画に取り入れたの。
ケン;もう工事は始まってるの?
―まだよ。千葉県には、環境に大きな影響をあたえる計画の場合、事業をスタートする前に専門家が検討する組織がある。その組織が101ヘクタールの見直し案の中身をもう一度、くわしく調べなさいと、県に宿題を出したのよ。
それと、4月に変わった堂本暁子知事が「三番瀬の計画は一から検討しなおします」と発言したので、この計画もどうなるかわからない。
ポン;堂本知事はこれからどうなるんだろう。
―堂本知事はいろいろな人の意見を聞きたいと言っているからもうしばらく結論はでないかもしれない。でも環境を守る方向で考えてはいるみたい。
全国でも、干潟を守ろうという動きが広がっている。長崎県の諫早湾干潟では、開拓事業で水門を閉めきり、きびしい批判をあびたし、名古屋港の藤前干潟では、ごみのうめ立て計画をあきらめた。
ジャン;自然も大切だものね。
―そうね。三番瀬も都会のそばに残った貴重な場所。水質をきれいにするはたらきをもつこともわかってきた。13万人分の下水処理所にあたるというよ。自然とともに人間が生きられる方法を考えたいね。
(2001年5月5日)
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