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政治編;坪井ゆづる記者(朝日新聞政治部)
あぁぁ、あぁぁ……。
さえない顔だね。
2学期の通信簿、よくなかったんだって。
なぁーんだ、そんなことか。だけど、みんなの通信簿って、各学期に1回だけだろう。毎月、きび しい通信簿をもらう人だっているんだよ。
だれさ?
小泉純一郎首相だよ。
えーっ。
ジャン;どういうこと? 小泉さんはだれから、どんな通信簿をもらうの。
―きみたちは先生からもらうだろう。小泉首相は、国民からもらう。
たとえば最近、朝小でも書いた「道路公団の民営化問題」や「医療制度改革」「アメリカの同時多発テロへの対応」など、ひとつひとつが評価されるんだ。それが、通信簿になるのさ。
ケン;だれが点数をつけるの?
―きみたちのお父さんやお母さんさ。
ポン;うそだぁ。
―本当だよ。たとえば、内閣支持率というのがある。
ポン;シジリツ?
―支持というのは、「よくやっていると思います。応援していますよ」っていうことだね。
大きな新聞社は毎月、世論調査で内閣支持率を調べている。2千人とか3千人とか、おおぜいの人に、「小泉内閣を支持しますか」と質問する。
小泉さんが4月に首相なってから、支持率はほとんど70パーセントをこえている=グラフ参照。これまでの内閣にくらべてとても高いんだ。
ジャン;国民に人気があるのよね。小泉さんがいった「聖域なき構造改革」は、ことしの流行語にもなったし。
ケン;成績がいいってことだね。
―成績のいい科目もある、といった方がいいかな。
ポン;どういうこと?
―失業率っておぼえているかな。働きたいのに仕事がない人の割合で、いまは5パーセントをこえている。過去最悪なんだ。小泉首相になってから、失業率は上がる一方さ。
ケン;じゃあ、いい点はあげられないじゃない。
―人気の面では「5」の「たいへんよくできました」だけど、経済の面では「2」の「もっとがんばろう」ってところなんだ。
ジャン;ほかにも点数はつくの?
―むずかしいなぁ。外国とつきあう「外交」では、夏に靖国神社に参拝したことで、中国や韓国からきびしく批判された。
アフガニスタンで軍事行動に出たアメリカ軍を助けるために、自衛隊を送ったことについては、「よくやった」という人もいるだろうし、「とんでもない」とおこっている人もいるだろう。
医療費の問題をはじめとする「福祉」も、だれもがみとめる「正しい答え」なんてないから、点はつけにくい。
ケン;ぼくたちに関係が深い「教育」はどうなの。
―うーん、いじめも不登校も学級崩壊も深刻だからなぁ……。ただ、内閣支持率というのは、教育も外交も福祉も、みんなふくめた「政治」全体につけられた評価ではあるんだ。
ジャン;ねえねえ、小泉さんも冬休みの宿題はあるの。
―さっきの「失業率」は、お正月にも「どうしたらいいのかなぁ」って考えてもらわないとこまるなぁ。みんなの食卓で大問題の狂牛病対策も大きな宿題だ。
ケン;どっちもむずかしそう。
―もうひとつわすれないでほしいのは、きみたちのお父さんやお母さんだって毎日、仕事で評価され、通信簿をもらっているようなものだってこと。
お給料にもひびくから、かなりたいへんなんだ。冬休み、なにかひとつ、お父さんやお母さんがよろこぶことをしてあげようよ。
ポン;はーい!
(2001年12月22日)
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