朝日小学生新聞
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■親はどう頭を切り替えて子どもたちの教育に向き合えばよいか■

みなさんは「国際バカロレア」という言葉を聞いたことがありますか?  一昨日、説明会にうかがった千代田女学園中学校・高等学校(東京都千代田区)も数年後の開設を目指しているそうです。

英語では正式に「International Baccalaureate」といいます。簡単に説明すると、IBのカリキュラムをクリアすることで、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)が授与されます。
プログラムの詳細については文科省のホームページ http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/ にあります。

日本の政府は2018年までにIB認定校を200校にする計画を立て、2015年よりIBと学習指導要領の双方を無理なく履修できるようにする特例措置を施行しています。
また、日本語で履修できる教科が大幅に増えた日本語ディプロマプログラム(DP ※16歳~19歳を対象とした教程)の認定校もできてきました。
さらに、筑波大学や岡山大学など、日本の大学の中にもIBのスコアを用いた入試を実施するところも出てきています。17校でIB入試を実施、25校でIB入試の導入が検討されています(2015年末)。
2021年には、IB入試を含めた推薦入試の枠を30パーセントとする目標もたてられています。県内では、県立横浜国際高校が認定推進校で、2019年度には認定予定とのこと。

2020年度の高大接続改革は、当日の入試の1点で合否がわかれるような現行システムから、これからのグローバル社会を生き抜く人材を育成するための教育への転換がおもな目的です。
そのためにどんな選抜が有効なのか、という議論が続くなか、国際バカロレアを利用した大学入試もひとつの選択肢になっています。
国際バカロレアが掲げる学習者像は以下のようなものだそうです。

① 探究する人 Inquirers
② 知識のある人 Knowledgeable
③ 考える人 Thinkers
④ コミュニケーションできる人 Communicator
⑤ 信念を持つ人 Principled
⑥ 心を開く人 Open-minded
⑦ 思いやりのある人 Caring
⑧ バランスの取れた人 Balanced
⑨ 挑戦する人 Risk-takers
⑩ 振り返りができる人 Reflective

良い大学(=偏差値の高い大学)に進学するのではなく、世界のどこでも生きていくチカラを身につける大学に進む。そんな転換がどんどん進んでいくのでしょう。保護者の方もそうした時代に目を向けていかなければならないでしょう。



神奈川県大和市の塾『宮崎教室』 塾長 宮崎智樹 (みやざき ともき)
宮崎教室 http://miyajuku.com

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