朝日小学生新聞
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「学力が高いから読む力がある」のか、「読む力があるから学力が高い」のか。「ニワトリが先か、卵が先か」の因果性のジレンマです。ニワトリと卵の議論は哲学者に任せるとして、
たしかに「学力」と「読む力」の二つには高い相関関係があるようです。成績のよい子はテキストや問題文をスラスラと読めます。それだけでなく、板書を写すことも早いです。また、入塾当初の成績が悪くとも、文章を読み返すこともなく上手く読める子どもは、順調に学習効果が上がり成績も伸びていきます。

反面、読む力のない子どもたちは、読むことに精一杯で書いてある内容を理解するまでになかなか至りません。読み方を間違えて注意されたり、読み直しが多ければ当然「集中力」も続きません。板書を写すことにも時間がかかります。それらに時間がかかれば、本来の一番時間をかけなければならない「考える」時間は少なくなってしまいます。悪循環です。
成績の悪い子の親御さんからはよく「うちの子は勉強の仕方を知らないので教えてほしい」と言われます。実はその多くの場合は「読めない」ことが原因なのですから「読める」ようになることこそが勉強の仕方ということになります。

読む力は、文章を繰り返し読む中で自然と身についていきます。語彙力や読むスピードは、文章を読む量に比例します。お子さんが就学前から小学生の低学年までならば、それはやはり読書です。子どもは読み聞かせによって同じ物語を何回も聞いているうちに、語彙を増やしていきます。
知っている言葉が増えれば、挿し絵がなくとも頭の中で情景が浮かび上がってきます。本が面白くなり、自然と読書好きになり、語彙が増え、読むスピードも早くなります。よい循環が生まれます。

次回は、「小学校中学年からは“新聞によって読む力をつける”」を書く予定です。

東京都練馬区の塾『受験 松井塾』 松井光裕(まつい みつひろ)
松井塾 http://www.matuijuku.com

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