朝日小学生新聞
  • 毎日発行/8ページ
  • 月ぎめ2,100(税込み)

■朝小を授業でフル活用しています!■

「学び」の始まりは「知る」ことであり、その継続と習慣化は、知ることの楽しさを味わえばこそである。子どもたちは、われわれ大人の数倍もの「なぜ?」「知りたい」が頭や心に溢れている。その欲求である「知的好奇心」をくすぐり、触発し満たすことが教育の役目の大きなひとつであろう。
「なぜ?」「知りたい」は日常の生活や世の中の出来事の中にたくさん潜んでいる。新聞にはそうした記事が毎日載っているのだ。当塾の小4もこの夏休みから朝小を使った新聞授業が始まった。教材として扱う記事は、この4月からスタートした「ニュース先取り・地理カレンダー」(7月7日号・海の日)だ。鉛筆・マーカー・国語辞典そして地図帳を拡げる。消しゴムはいらない。

授業は新聞記事の音読から始まる。丁寧に読ませる。場合によっては何回も繰り返す。
日本は島国で四方を海に囲まれている。世界には海のない国もある。海流・暖流・寒流・潮目・漁場・プランクトン・水温・気候・農業・・・。すべてつながっている。子どもたちは、「だから雨が多いのか。それで水田・稲・米を食べるのか」「そんなに水温が高いの、それで雲が出来るのか」「潮目・プランクトン・漁場・・・」「親潮、黒潮、そういうことか」授業は拡がる。子どもたちの興味、納得も深まる。
「魚の名前を漢字で覚えよう」と提案すると、「秋刀魚・鮭・鰯・鮪・鯵・鰤・鰹」と競って辞書を引く。新聞の余白にはメモがうまっていく。学習意欲の「課題触発型(※1)」である。これで家庭の食卓にサンマがのり、テレビのニュースでサンマの豊漁・不漁・高値・安値のニュースが流れれば家族との会話が弾み、誉められる。学習意欲の「善果志向型(※2)」が重なりしめたものだ。
次の扱う記事は、9月1日号の「ニュース先取り・地理カレンダー」(実りの秋)をつかう。5年生、6年生はフードマイレージまで学習予定だ。

学習意欲の5分類の中から
「課題触発型(※1)」・・・学習課題そのものに興味や関心をひかれて勉強しようとする
「善果志向型(※2)」・・・称賛、誉められるなどの良い結果を期待して勉強しようとする
参考:梶田叡一『自己教育への教育』明治図書 河合伊六『学習意欲とは何か』児童心理 より



東京都練馬区の塾『受験 松井塾』 松井光裕(まつい みつひろ)
松井塾 http://www.matuijuku.com

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