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北朝鮮が2回目の核実験を実施

 北朝鮮は5月25日、2回目の核実験を行いました。その目的は何なのでしょうか? 2006年10月の核実験とはどこが違うのでしょう? 日本やアメリカ、中国、ロシア、韓国には北朝鮮に核兵器、ミサイル開発をやめさせる手がないのでしょうか?

国連安保理 テポドン2発射で議長声明
北朝鮮は"制裁"に怒り「核実験をするぞ」

  北朝鮮は突然核実験をしたような感じだけど、なぜやったの。
  突然というわけでもない。4月5日に「テポドン2」を発射したため、国連安全保障理事会はそれを非難する議長声明を出した。北朝鮮はそれに怒って、核開発をやめさせるための6者協議(日、米、韓、中、ロ、北朝鮮)には「2度と絶対に出ない」と声明を出し、その後「核実験、長距離弾道ミサイル実験をする」とも発表していた。いずれやる、とは誰もが見ていたが予想より早かったかな。テポドン2発射に対しては日本、アメリカは経済制裁強化の決議を求めたが、中国、ロシアは「そうすると北朝鮮は6者協議をやめるだろう」と見て、一段下げた議長声明を主張し、結局そうなった。そのかわり表現は厳しくなったし、そのうえ北朝鮮の貿易公社や銀行など3団体の海外での預金口座の凍結も決まったから、実際には制裁強化になった。北朝鮮にとっては中国、ロシアもそれに賛成し、アメリカ、日本に近づいたのはショックだったらしい。そこで6者協議には出ない、核実験をする、と言ったんだ。北朝鮮は従来「やるぞ」と言うと、その通りやってきた。困った「有言実行」の国だ。言ってやらないとなめられる、という心理だろう。だから近々やることは分かっていた。

前回以上の核爆発の威力見せつける狙いか
弾道ミサイルに積める小型化できていそう

北朝鮮の核実験を伝える号外を受け取る人たち=25日、大阪市で©朝日新聞

  2回目の核実験にはどんな意味があるの?
  06年の実験では事前に中国に「火薬4千トン級に匹敵する規模で核実験をする」と通知した。原爆は爆発させるのに必要な量の核物質(プルトニウムなら5、6キログラム)を使うと、長崎型と同じ火薬2万トン級の爆発力になる。それを4千トンに落とすには「威力制御技術」が必要だ。北朝鮮はその技術を持っていたんだ。だが初の実験だけに制御が効き過ぎ、爆発力は8百トン程度になったようだ。そのため「部分的失敗」とも言われた。そこで今度は制御を前回ほど効かせず実験したらしい。前回の実験では韓国の地震計でマグニチュード3・7程度の震動が記録されたが、今回は4・4、と言う。韓国国防省は火薬5千トンから2万トンに当たる爆発力、と見ている。威力のある核兵器を持っていることを誇示する事件だった。
  弾道ミサイルに積める程、小型化しているの?
  日本に十分届く「ノドン」の直径は1・3(メートル)だから、弾頭の直径はそれ以下の大体1メートル程度、重量は1トン程度にまとめる必要がある。この程度の小型化はそう難しくない。アメリカでは直径15・5センの砲弾とか、人が背負える核爆破装置も造られた。こんなに小さくするには高度の技術がいるが、初歩的な小型化の原理はアメリカの市販の核開発史の本にも出ている程だ。威力制御の方が難しそうで、それができるなら、とっくに1トン程度の小型化はできていると思うよ。原爆は普通に造ると火薬2万トン級の威力になるから、はじめのうちはそれ以上威力を大きくするのも、小さくするのも不可能と思われた程だ。火薬と違い、小さくすれば威力が減るものじゃない。核爆発を起こすには一定の量の核物質と複雑なシステムがいるからね。

中国、ロシア激怒 国連経済制裁強化へ

核実験で出た放射性物質を測定するため、集じん装置(胴体下の白い部分)で大気中のちりを集め、基地に戻った航空自衛隊の練習機=25日©朝日新聞

  北朝鮮に核、ミサイル開発を止めさせる手はないの?
  国連は経済制裁強化の決議をすることになるだろう。中国もロシアも北朝鮮が6者協議を離脱し、核実験をしたことに怒っている。中国は議長国として非核化への道筋をまとめるのに苦労したのに北朝鮮に裏切られた形だから、石油、食糧の供給を止めることも検討中らしい。北で異変が起きる際には出兵して、まず核兵器を押さえ、食糧を配るなどして難民の流出を防ぐことを考え、夏には北朝鮮に接する中国・吉林省でそのための中ロ共同軍事演習もする計画だ。アメリカ・韓国軍も似た計画を持ち、中国と打ち合わせもしている気配だ。中国が北朝鮮を見放し、朝鮮半島情勢は大きくかわるかもしれないよ。

 

 

(田岡 俊次・朝日新聞記者)

2009年5月31日


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