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法制審議会で話し合いがスタート

何歳で「大人」とするべきか難問です

 大人になる年齢は20歳のままでいいか、18歳に引き下げるべきか。社会人として独り立ちと認められる成人年齢をめぐる議論が、法務大臣の依頼を受けた「法制審議会」で始まりました。とはいっても、これまでも学者・知識人らの間でさえ様々な考え方があり、進みそうで進まない問題なのです。

国民投票法の投票権は18歳に
民法は20歳、世界は18歳が主流

  なぜ議論されるようになったの?
  大人(成人)を何歳からにするかについては、以前から賛否両論がありました。古くて新しい問題です。大きく2つの流れがあります。一つは、選挙権を18歳に引き下げて、若者の政治参加をうながす動き。もう1つは、少年事件がよく起きるので、刑罰を強めようという少年法問題の動きです。この2つは、それぞれ権利と義務で、表裏のものだともいえます。こういう流れがあったところへ、2007年に国民投票法が成立したので、一時は「18歳成人」が一気に進む気配でした。

  コクミントウヒョウホウ?
  憲法を改めるために、具体的な手続きを定めた法律のことだよ。この法律では、投票の年齢を18歳以上としました。10年五月から有効になります。それまでに、民法や公職選挙法など年齢制限のある法律に「必要な措置を講じる」と決めました。だから、どうするのか、法制審議会で話し合っていこうというわけです。「白紙」すなわちゼロから議論するといいます。役所の案を追認することが多い審議会としては、異例のスタートです。

 

今年の成人式のようす。会場で記念写真を撮る新成人たち=2008年1月14日、神奈川県相模原市で

  外国では、成人年齢ってどうなっているのかな。
  世界の主流は「18歳成人」です。アメリカは州ごとに異なりますが、あとは、20歳とか21歳とかを境にしている国はごく少数。多くが18歳以上を大人としています。ただ、18歳成人の国でも「お酒を飲めるのは21歳以上」などと、何かを許可する年齢はまちまちというよ。

  日本では、なぜ20歳で成人にしたのかな?
  明治時代に制定された民法が「満20歳をもって成人とす」と定めています。どうしてそうなったかは、参考にしたフランス民法にならったという説や、中国の古典「礼記」に「男子は20歳にして冠をかぶり、成人を宣言する」とあるのを採用したとの説などがあるそうです。

  20歳になったら成人の権利が全部もらえるの?
  選挙権、財産の処分、飲酒、喫煙など、ほとんど得られます。しかし、選挙で選ばれる被選挙権については、衆議院議員や市町村長は25歳以上、参議院議員と都道府県知事は30歳以上です。

見直しを検討する法令は300超

 

  議論はこれからどうなるのかな。
  法制審議会の民法成年年齢部会が当面、教師や心理学の専門家など、いろいろな人から意見を聞くヒアリングを進め、来年春ごろに大臣に答申を出すことを目指します。ポイントは、18歳が「的確な判断ができるぐらい成熟しているかどうか」の見きわめですね。

  どうなのだろう?
  「若者の社会参加を早めて、日本中に活気を」という学者もいれば、「18歳が大人なんて、まだ早い」という考え方も根強い。政界などにも賛否両論があります。自民党などではこのごろ、20歳ですえ置くべきだとの慎重論が強まっているともいわれますが、18歳成人論も消えていません。民主党は「18歳に選挙権を与える」ことを掲げています。ただ、見直しの検討対象の法令だけでも308本あるというから、論点を整理するのもすぐにはできません。

  えーっ、そんなにあるの。
  この際、みんなで大いに話し合ったらいいですね。

 

(高橋俊一・ジャーナリスト)

2008年4月20日


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