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都議会で議案可決、なぜもめたの
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| 経営再建のための店舗統合で閉鎖された新銀行東京新橋店〓三月二十五日、東京・西新橋で |
東京都議会の予算特別委員会の席につく石原都知事〓三月二十六日、都庁で |
新銀行東京に、東京都が巨額の追加出資をすることになりました。新銀行東京は、石原知事の構想により都が出資して発足した銀行ですが、揺れに揺れた都議会で、追加出資を盛り込んだ議案がやっと可決されたのです。なぜ、こんなにもめたのでしょうか。
中小企業へ無担保無保証融資
回収できず累積赤字が900億円
Q なぜ東京都が銀行をつくったの?
A 石原知事が選挙で公約したのです。銀行は企業・会社が事業を進めるお金を貸しますが、中小企業への貸し渋りなどで大銀行に批判的だった知事が「まったく新しいタイプの銀行をつくる」と構想を打ち出し、都が1000億円を出して2005年に開業しました。「無担保無保証融資」といって、返せなくなった時に銀行が受け取れる財産や保証人を前もって設定しなくてもお金を貸すことが看板でした。
Q それで、どうして都議会がもめたの?
A 貸出先がつぶれれば、お金は返ってきません。新銀行は、預金の金利が高かったうえに、破綻した貸出先も多かった。経営は赤字が続き、たまった累積赤字は900億円を超えました。
Q 銀行の赤字が増えると、どうなるの?
A 自己資本、つまり自分のお金で損失を埋めなければなりません。でないと、市民から集めた預金を返せなくなります。「経済の血液」であるお金が流れにくくなって、預金者や企業に影響が出たら、一大事。だから、都は再建策を考えざるを得なくなったのです。
都がさらに400億円注いでいいか
野党は反対、問われる経営責任
Q 再建策?
A 6つの店を本店だけ1店にし、行員数も、預金量や融資も減らして、4年後に黒字をめざすそうです〓図参照。問題は、こうした立て直しのために、都の予算から400億円を追加出資するというのです。これまででも経営状態が悪いのに、さらに都の資金を注ぎ込んでいいかどうかが問題になりました。
Q 400億円なんて、ピンとこないけれど。
A 重要なのは、もとは都民のお金ということ。400億円は都民1人当たり3110円になります。都民一世帯平均にすると、6520円。最初の出資1000億円と合わせると、一世帯あたり約2万3000円です。
Q だから、都議会がもめたわけか。
A そう。おまけに、新銀行の経営内容におかしな点がいろいろあるらしいとわかってきたのです。たとえば、契約社員が融資先を開拓し、6か月以上返済が滞らなければ、最大で年200万円のごほうびを支給される制度。元の経営陣が返済の可能性をよく考えずに融資を指示したのではないかと疑われています。開業の旗印だった中小企業への貸し出しが07年9月期では半分を下回りました。開業から3年間で17人の役員が辞任。「放漫経営を厳しく追及する人が煙たがられ、再任されずに辞めていった」ともいわれます。「知事や、その側近だけしか情報を知らされていなかったのでは」との批判につながっています。
Q 都議会は結局どうしたの?
A 民主党など野党は「追加出資が無駄になっては」と、反対を強めました。元の経営トップや知事の責任を問う声もあがりました。しかし、自民党や公明党は「新銀行が破綻したら、中小企業に影響が大きい」などと賛成し、議案は可決されました。
Q これで大丈夫なのかな。
A 都議会では「経営監視を強化する」などの付帯決議もされましたが、疑問や不安は消えません。知事は「黙って結果を見て。今から水をぶっかけるようなことをいわないで」と強気のようですが、経営責任の追及をあいまいに終わらせず、都民も注意深く監視する必要がありますね。
(高橋俊一・ジャーナリスト)
2008年4月6日
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