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国連暫定統治下にある自治政府
「国家承認」は各国でわかれる
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| コソボ自治州が2月、共和国として独立宣言 |
地中海に長靴のように突き出たイタリアの対岸で2月17日、「コソボ共和国」がセルビアからの独立を宣言しました。面積は岐阜県とほぼ同じ、人口も200万人ととても小さな国です。現在、国際連合(国連)に加盟しているのは192か国。コソボの加盟が認められれば193番目になりますが、それには、ロシアなど大国の思惑や複雑な経緯がからみ合い、時間がかかりそうな雲行きです。
コソボを含む一帯には、かつてユーゴスラビアという国がありました。1990年代、冷戦が終わり、ソ連(今のロシアなど)が崩壊すると、ソ連と同じ社会主義の国だったユーゴスラビアは、宗教や民族をめぐる内戦や紛争を経て6つの国に分かれました。コソボは、そのうちの一つセルビアの自治州でした。
住民の90%が、イスラム教徒のアルバニア人。セルビア正教(キリスト教)のセルビア人は6%しかおらず、住民の間には長年根深い対立感情がありました。80年代末、セルビアのミロシェビッチ政権が自治権を奪い、圧政を敷くと、アルバニア系に独立運動が盛り上がり、98年にはアルバニア系武装組織とセルビアの治安部隊の間で武力衝突が起きました。セルビア側がアルバニア系住民を虐殺しているなどとして、99年に北大西洋条約機構(NATO)軍が空爆するに至りました。
武力で紛争を解決することに議論はありましたが、この空爆の結果、コソボは国連の暫定統治下に置かれ、セルビアとコソボ自治政府はコソボの最終的な地位(独立かセルビアの一部か)を決める話し合いを続けました。07年3月、国連は最高意思決定機関の安全保障理事会にコソボの実質的独立を勧告。しかしセルビアは、セルビア正教の聖地コソボを手放すことを受け入れず、セルビアと友好関係にある安保理常任理事国のロシアも反対しました。その後、EUや米国、ロシアによる調停も失敗します。そのなかで今年、独立を強行したのは、EUと米国の支持があったからです。
火種抱えるロシアなどは反対
国際社会は粘り強い対応必要
独立を宣言しても、国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)が残るほか、EUが警察官や司法関係者を派遣し、国を統治するための重要な部分を担います。いわば、「大人になれない」状態なのです。
2月24日までに、英国、フランス、ドイツなどEUの主な国や米国はコソボを「国」として認め、日本もこれに続く方針ですが、ロシアやスペインは反対しており、中国も「深刻な憂慮」を表明するなど国際社会の対応は割れています。反対する国の多くは、自国に同様の独立運動を抱えています。
ヨーロッパ南東部のバルカン半島一帯は様々な民族、言語、宗教が入り組み、「欧州の火薬庫」と呼ばれてきました。コソボにアルバニア人が移住したのは、イスラム教のオスマン帝国に支配された14世紀末にさかのぼります。冷戦後は民族主義が噴き出し、旧ユーゴはコソボ以外にボスニア・ヘルツェゴビナでも内戦が起き、20万人が犠牲になったとされます。こうした悲惨な歴史をくり返さないためにも、国際社会の粘り強い取り組みと関心が今後も大変重要になります。
(安東 建記者〓朝日新聞 外交・国際グループ)
2008年3月2日
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