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労働組合が賃上げ中心に要求
景気に不安、経営側は慎重姿勢
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| 経営者側の「日本経団連」(手前)と労働者側の「連合」(奥)の労使トップ会談=1月23日、東京都千代田区の経団連会館で |
働く人の待遇について労働組合と会社・企業が交渉する「春闘」が本格的にスタートし、対立が激化しています。多くの企業で抑えられてきた賃金・給料を「今年こそ引き上げて」と意気込む組合・労働者側と、このところの株安などで慎重な企業・使用者側。そこへ、石油製品や食料品の値上げラッシュが重なってきました。派遣やパートといった非正社員の待遇改善も切実な問題です。
春闘は、毎年春に労働組合が賃上げを中心に、それぞれの企業経営者に要求を出す行動です。企業規模や業種によって差はありますが、この時期、全国的にほぼ一斉に行われます。
企業に雇われる労働者の「労」と、企業の方は人を雇って使うという意味で「使」の字をとって、「労使交渉」「労使双方」などのいい方があり、両者が給料をどのぐらいにするか、ほかの待遇をどうするか、わたり合います。日本独特のやり方ともいわれ、政治問題もからんで大規模なストライキに突入した時もありました。
今年は、1月下旬、大企業の経営者らでつくる日本経団連と、労働組合の多くが参加する全国組織の連合(日本労働組合総連合会)の労使トップ級会談でスタートが切られました。
ここしばらく、日本の賃金が海外に比べて高いことなどを理由に賃上げを見送る企業が一部を除いて目立ってきました。それだけに、労働側は「がまんは限界」と強い決意です。経営側も一時は業績好調な会社の賃上げを認める構えでしたが、急に厳しい姿勢をとりだしました。
物価上昇、労働側「生活が圧迫」
長時間労働、非正社員の問題も
労使どちらにも事情があります。
原油の急な値上がりで、労働側は「ガソリンや灯油が高くなって生活が圧迫されている」。食料品の値上がりが加わって、どうしても賃上げが必要というわけです。経営側にとっては、原材料の値上がりに直結。「世界的株安もあり、景気の先行きが心配だ」と主張しています。
このほかの対立点を整理すると、まず、月給を上げるかどうか。経営側は月給ではなく「業績のいいところはボーナスなど一時金を上げたらいい」といいます。労働側は基本給といって給料の中心になる部分の賃上げを求めます。これだと、たいていの場合はボーナスや退職金のアップにつながります。
長時間労働の扱いも問題です。「時間外労働の賃金を増やして」と労働側。経営側は「それを目当てに残業する人が出てくるのでは」と渋い反応です。
非正社員については、労働側がパートの時給引き上げなど具体的な待遇改善を要求するのに対して、企業の多くは「正社員と非正社員の壁を低くすることを考える」というにとどまっています。日雇い(日払い)派遣の原則禁止や規制の大幅な強化を求める労働側に、経営側にはむしろ規制緩和をさぐる意向がちらつきます。
1月に発表された2007年12月の全国消費者物価は1年前から0.8%上がり、中でも灯油は24%、食パンは6.4%の値上がり。一方で、働く人の実質賃金は02年から、05年だけを除いて、毎年減り続けています。もともと賃金の低い非正社員や春闘さえ組めないところもある中小企業の人は特に切実です。生活をかけた労使の攻防が4月、5月まで続きます。
(高橋 俊一・ジャーナリスト)
2008年2月24日
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