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| ジェイティフーズの商品を回収する店員〓1月30日、山梨県のスーパーで |
10人が下痢や吐き気の中毒症状
農薬を検出し回収、日中で捜査
日本に輸入された中国製の冷凍ギョーザを食べた人が中毒にかかり、不安が広がっています。製品からは農薬の成分が検出されました。全国のスーパーなどで中国製食品の販売中止が拡大、日本と中国で警察当局などが捜査を始めました。
千葉や兵庫県で12月と1月、日本たばこ産業(JT)の子会社が輸入した冷凍ギョーザを生協やスーパーで買って食べた3家族10人が、下痢や吐き気の中毒症状を訴えました。中にはめまいやしびれもあり、5歳の少女ら3人が一時重体に。ギョーザはどれも中国の「天洋食品」という会社の製品。両県の警察が調べると、有機リン系農薬の成分であるメタミドホスなどが出てきました。
メタミドホスは、主に殺虫に使われますが、毒性があります。人体にはいると、ひどい時は死ぬケースもあるそうです。日本では農薬として使うこともできません。
天洋食品と取引する日本の輸入会社は19社にのぼり、輸入した食品をそれぞれの商品名で売っていました。ほとんどが次々に販売をやめ、品物を自分から回収、大騒ぎになりました。
ギョーザになぜ農薬が混じっていたのか。@原料の野菜にかけた農薬が残ったA食品工場の殺虫剤が過って混じったB何者かがわざと入れたC中国の「国慶節」で工場が休む前に倉庫を消毒した時の薬が袋についた、などの説が出ました。兵庫県警察本部がギョーザのパッケージと中のトレーに小さな穴が開いているのを発見しましたが、千葉県では見つかっていません。
「何を信じて買ったらいいのか」といった不安が消費者に広がり、販売業者や保健所には問い合わせが殺到。不信感は中国製の食品全体に拡大しています。学校給食やレストランの中にも、献立や原材料を急いで取りかえる動きが出てきました。
輸入に頼る食品、20%が中国製
冷凍加工品の農薬検査はなし
これにからんで多くの問題が明らかになっています。
食品の輸入は国へ届け出が義務づけられていて、野菜などに農薬が基準を超えて付着していないか、抜き取り検査をされます。06年度の届け出百85万件のうち実際に検査されたのは、20万件。人員が足りないので、ここ数年、10%ぐらいしか調べられません。しかも、冷凍の加工品については、農薬検査はされていません。
中毒が発生してから販売中止までに時間がかかったことも、混乱を助長したようです。被害者が住む県から連絡を受けた東京都が、輸入会社がある品川区へファクス連絡するときに、中毒の内容を記した紙がもれてしまったためです。いくつもの自治体を通さないと業者に連絡が届かない制度では、被害拡大を防げません。
もう一つの大問題は、食べ物の多くを輸入に頼る現状です。カロリーで見ると、60%が海外から。07年は約5兆3000億円も。このうち中国製品は20%。安くて手軽なので、ここ10年で学校給食、社員食堂や外食産業に、お弁当の材料として家庭にも、どんどん出回っています。焼き鳥、魚のフライ、牛丼の具なども実は中国製というのが増え、天ぷらやそば、漬け物など日本伝統の「和の食材」にまで広がっています。
食料は皆が暮らしていくために欠かせません。海外に頼りすぎる現状がどんなに危なっかしいことなのかを、今回の問題は示しています。
(高橋俊一・ジャーナリスト)
2008年2月10日
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