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米朝が主導、北朝鮮 核放棄への道

「核の無力化」年内終了の合意
6者協議で決めた第2段階に 
具体的には不明、成果アピール

6者協議の首席代表会合を終え、握手する北朝鮮と米国の代表(中央)=7月20日、中国・北京で

 北朝鮮の核問題をめぐる話し合いが、米国と北朝鮮が引っぱる形で進んでいます。今月初めには代表者がスイスで会い、米側は核放棄に向けた2番目の手順を年内に終わらせることで合意したと明らかにしました。一方、その直後に行われた日本と北朝鮮の話し合いは拉致問題で大きくへだたったままで進展はありませんでした。国際的な話し合いで日本がおきざりにされる心配も出てきました。

 北朝鮮が核を放棄するまでの手順は、2月に日本、米国、北朝鮮、中国、韓国、ロシアという6か国の話し合い(六者協議)で合意して大きな一歩をふみ出しました。最初の手順は「初期段階の措置」と呼ばれ、北朝鮮には寧辺にある原子炉などの核施設を止め、封印することが求められました。

 マカオの銀行にあった北朝鮮資金の凍結問題が解決しなかったことを理由に、北朝鮮は実行しようとしませんでしたが、ようやく6月に着手。核施設の稼働停止と封印を行い、さらにそれを監視、検証するために国際原子力機関(IAEA)の査察官を呼び戻しました。

 いまの当面の課題は、2番目の手順、「次の段階の措置」がいつ実現されるかです。この段階では、北朝鮮に「すべての核計画の完全な申告」と「すべての既存の核施設の無能力化」をすることが求められています。しかし、「完全な申告」をどう認定するのか、「無能力化」とはどうすることなのか、といったあいまいさが障害になって早期の実現は難しいと思われてきました。

 しかし、米朝は年内に終えることにスイスで合意したというのです。具体的な合意の中身は明らかにしませんでしたが、米国は年内終了を「成果」とアピール。両国の足なみのそろいぶりが印象づけられました。さらにそれを強めるように、米国が北朝鮮に対するテロ支援国家の指定解除を決めたと、北朝鮮は一方的に発表しました。

 7月に行われた六者協議でも米朝関係が主導する傾向が目立ちましたが、今後もその流れは続きそうです。

拉致問題進展せず苦しい日本

 そうなると立場が苦しいのは日本です。「拉致問題の進展がなければ経済支援はしない」というのが日本の大前提ですが、米中韓には「六者協議を進展させるには大規模な支援が欠かせない」として日本の経済力に期待する向きもあります。それに背を向けて日本が孤立すれば、北朝鮮はますます拉致問題を軽視するという悪循環にもおちいりかねません。

 米国の後、モンゴルで北朝鮮と話し合った日本は、安倍首相が「過去(日本による朝鮮半島の植民地化)の清算」を口にしたり、北朝鮮の洪水被害への支援をちらつかせたりして、交渉を進展させるきっかけをつくろうとしました。しかし、日本が求める拉致被害者の再調査について色よい返答はなく、解決にはほど遠い状況は変わりませんでした。

 行きづまり感がある日朝関係ですが、安倍首相の辞任で転換するかもしれません。
 次の首相は圧力優先の北朝鮮への強硬路線を引きつぐのか。六者協議にはどう影響するのか。そんな視点で自民党総裁選のニュースを見るのもおもしろいでしょう。

(村上研志記者〓朝日新聞 外交・国際グループ)

2007年9月23日


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