こどもアサヒ > ニュースドンとこい! > ニュースドンとこい!過去一覧

小中学校の授業を増やす方向へ

学習指導要領改訂案 11年度の実施めざす
主要教科に力、総合学習は減

中学で武道とダンスを男女とも必修にする案が出されました(写真は本文と直接関係ありません)

 小中学校の授業時間について、主要教科や体育の授業を増やす学習指導要領改訂の素案を文部科学省がまとめました。全体の授業数を増やすほか、総合的な学習(総合学習)の時間を減らす方向です。中央教育審議会(中教審)で検討され、2011年春の実施を目指します。また、中学の保健体育で武道とダンスを男女とも1、2年生で必修とする案も、中教審の専門部会がつくり、早ければ11年度から取り入れられることになりそうです。
 学習指導要領は、学校が編成する教科の基準になります。どんな教科をどれだけやるかを決めるものともいえます。文部科学大臣が中教審などに意見を求めて、話し合い、実施される仕組みです。
 文部科学省の素案は、小学校高学年で「英語(外国語)活動」を週1コマ(45分)設け、「総合学習」は週1コマ程度減らすのが柱になっています。さらに、小学校の場合、@低学年では国語、算数、体育を増やすA中学年では、これらに加えて、観察・実験のために理科を増やすB高学年では算数、理科を重視するC社会についても中高学年で若干増やす、という内容です。
 小学校の授業時間は1977年に告示された指導要領からほぼ減り続けています。素案が正式決定されれば、30年ぶりの増加になります。
 中学校については、授業を各学年とも週1コマ(50分)程度増やします。@国語は3年を中心にA社会科は近現代史や法の学習、宗教指導の充実のため、3年を中心にB数学は、嫌いになる生徒を出さないように丁寧に指導するため1、2年を中心にC理科は学習を深めるために2、3年を中心にD保健体育は3学年を通じて、授業時間をそれぞれ増やす内容。
 一方で、総合学習は、「考える力」が他の教科でも充実させられるという理由で週1コマ減らします。授業の全体増は週1コマ程度になります。選択教科は減らし、必修に力を入れる考えです。

中学では武道・ダンス必修も
ゆとり教育転換、議論が必要

 小中学校とも文部科学省素案は週5日制をかえずに達成するために、全体の授業時間を増やすとともに、早朝や放課後の読書やドリル学習を授業時間に組み入れることや長期休暇の短縮が考えられるといいます。このへんは、教育委員会や学校にまかすそうです。
 中学で武道やダンスを必修にする案は、保健体育の授業時間を増やす考え方にそっています。現在は、1年はどちらか1つ、2年と3年は武道、ダンス、球技から2つを選択。今回の案では、1、2年で全部をやり、3年で選択にするといいます。
 武道は、今の指導要項に例示されている柔道、剣道、相撲のほか、空手や弓道などが実際に教えられています。ダンスは創作ダンス、フォークダンスなどのほかに「競技ダンスやヒップホップなどもあり得る」と文部科学省は考えているそうです。
 実現すれば、総合学習などに力を入れて、「ゆとり」の教育を重視したやり方からの大きな転換になります。ただ、授業時間の構成をかえるには、対応する教員の研修や指導者の確保を進めなければなりません。学力アップや人間づくりのためには何がいいのか、国民全体の幅広い議論も必要です。

(高橋 俊一・ジャーナリスト)

2007年9月16日


朝日学生新聞社のホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての著作権は朝日学生新聞社に帰属します