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中華機炎上 原因究明し万全の対策を


乗客・乗員は爆発寸前に脱出
ボルトが脱落、燃料タンクに穴

(下)タンク内から上に向けて撮影
那覇空港で炎上した中華航空機(上)。右主翼内の燃料タンクを突き破ったボルト(右、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会提供)

 沖縄県の那覇空港で台湾・中華航空の旅客機が炎上、爆発する事故がありました。乗客・乗員165人は大爆発のほぼ1分前に脱出し、全員無事でした。ボルトがはずれて燃料タンクに穴をあけ、漏れた燃料がエンジンの熱で出火したのではないかとみられています。ボルトの留め金がつけられていなかった疑いがあり、日本と台湾、飛行機製造国のアメリカが合同で、その原因や飛行記録、燃料配管などを調べています。

 事故が起きたのは8月20日午前10時35分ごろ。台湾の台北から着いた中華航空機が滑走路を通って、ごくふつうにターミナルビル近くの駐機場に入りました。国土交通省や那覇市消防本部によると、近くにいた整備士2人が右エンジンからの燃料漏れと黒煙を見つけ、緊急脱出を求めました。乗客は四か所の脱出シュートで逃げ、全員脱出完了の十数秒後に最初の爆発が起きたともいいます。

 航空機の設計には満員の乗客が90秒以内に脱出できるようにとの「90秒ルール」があります。今回の脱出はそのぎりぎりだったとみられます。機体は爆発を繰り返し、中央付近から崩れ落ちました。パイロットは乗客が逃げた後に操縦席の窓から脱出しました。

 中華航空は、台湾の台北に本社をおき、日本の成田や関西、中部など七空港と台北、高雄の間を週74便で結んでいます。1994年4月に名古屋空港で着陸に失敗、264人死亡の事故が起きました。今回、那覇で炎上したのはボーング737―800型という最新鋭機で、アメリカ・GE(ゼネラル・エレクトリック)社製のエンジンをつんでいます。

 国土交通省の事故調査委員会などが調べたところ、右主翼内の燃料タンクに長さ約4センチの金属製ボルトが突き刺さり、2、3センチの穴が開いていました。ボルトは、離着陸時に使うスラットという可動翼を支えるもので、「ワッシャー」と呼ぶ留め具がついているはずですが、これが主翼内に転がっていました。

乗客騒然、一歩間違えば大惨事

 事故のとき、機内の乗客は騒然となりました。多くは沖縄観光に向かう台湾の人たちで、日本人も23人いました。

 右エンジンから黒い煙が上るのを見て乗務員に知らせても、「大丈夫」と言われた人もいたといいます。何かおかしいと感じた乗客もいたようですが、機体は何事もないかのように駐機場に止まり、シートベルト着用のサインも消えました。乗客が一斉に立って通路に並んだところで、悲鳴と「煙が出ている」の声が。あっという間に両翼とも炎に。「早く開けろ」と、乗降用扉に皆、殺到したそうです。脱出シュートから滑り降りてターミナルビルへ向かう途中で「バババン」という爆発音を3回聞いたと、のちに語った人もいました。

 航空機事故といえば、85年8月、羽田発大阪行きの日本航空ジャンボ機が群馬県の御巣鷹山に墜落し、520人が死亡しました。「車輪が出ない」「エンジンから出火」といった事故はその後もよく起きています。一歩間違うと大事故につながりかねません。万全の対策が求められています。

(高橋 俊一・ジャーナリスト)

2007年9月2日


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