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最大規模の国連平和維持活動
アラブ系民兵、黒人住民を殺害
「世界最悪の人道危機」ともいわれるスーダン・ダルフール問題が、解決に向け動き出しました。国連安全保障理事会が、ダルフール地方の平和維持活動(PKO)のため、国連とアフリカ連合(AU)の合同部隊を派遣することを決定。最大2万6千人を想定し、初年度の経費は25億ドル(約3千億円)とされ、過去最大規模の国連PKOとなる見通しです。
アフリカのスーダン西部に位置するダルフール地方は、フランスとほぼ同じ広さで、砂漠のような乾燥地帯です。アラブ系の遊牧民と、農業で生計を立てる黒人民族が、緑地や水資源をめぐり、長く争ってきました。
2003年2月、アラブ系中心の政府に不満をつのらせていた黒人住民が武装蜂起。政府が支援するアラブ系民兵は黒人住民を追い出し土地を奪おうと、組織的な殺害を続けているとされます。この紛争で、これまでに20万人以上が死亡、難民は約200万人に上るといわれます。
こうした事態に、AUは04年に停戦監視団派遣を決め、約7千人が停戦監視と治安維持に当たっていました。しかし、資金難などから十分な活動ができていませんでした。
今回のPKO部隊派遣には一年にわたる曲折がありました。
国連安保理は昨年8月にPKO派遣を決議し、11月に国連とAUの合同派遣でスーダンの合意を得ましたが、その後、スーダンのバシル大統領が難色を示し、部隊展開のめどが立たない状態が続きました。
これに対し、国連の潘基文事務総長は、1月の就任時からダルフール対応を「最優先課題」と位置づけ、バシル大統領と直接会談を含む交渉を続けました。米欧を中心とする制裁圧力の高まりや中国の説得もあり、6月にスーダンは受け入れを表明しました。
米欧は制裁でスーダンに圧力
密接な関係をもつ中国は反対
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| スーダンの避難民キャンプ |
ダルフール人道危機への取り組みは政府レベル以外にも広がっています。米国の俳優ジョージ・クルーニーさんは昨年、短編ドキュメンタリーを撮影し、「国連は行動を」と訴えました。今年6月には、アムネスティ・インターナショナルによる救済キャンペーンの一環で、ジョン・レノンの曲をカバーしたCDが発売されました。
とはいえ、利害関係が複雑に入り組み、国際社会の足なみが一致しているとは言えません。
米国は国際法上の犯罪、ジェノサイド(集団殺害)と認定。スーダン政府が解決に力を入れていないとして制裁に踏み切るなど批判を強めてきました。
一方で、国連安保理の常任理事国の中国は国連のスーダン制裁に反対してきました。中国はスーダンに武器を輸出しているほか、大型油田開発に携わるなど密接な関係があります。
スーダンに配慮する中国に対し欧米諸国から批判が高まり、北京五輪のボイコット論まで出ました。五輪で芸術顧問を務める米映画監督のスピルバーグ氏は5月、スーダン政府に圧力をかけるよう求めた中国の胡錦濤国家主席あての手紙を公開しました。
アフリカ最大の国土面積を持つスーダンは、イスラム教徒とキリスト教徒の内戦が泥沼化し、05年1月の包括和平まで20年以上にわたり苦しんできた歴史があります。国際社会が協力し、1日も早く人道危機をくい止めることが必要です。
(星野 眞三雄記者・朝日新聞外報グループ)
2007年8月26日
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