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政治とカネ 「1円から領収書」案が焦点

政治資金規正法の再改正問題
参院選大勝した民主党が攻勢

辞任した赤城前農水相(上)や自殺した松岡元農水相(下)は事務所費の疑惑がとりざたされました

  参議院議員選挙が終わって、「政治とカネ」の議論が再び起きています。政治家の団体が扱う活動費や経費の中身をどこまで明らかにするか。参議院で最大勢力の第一党になった民主党が、報告書に「1円から領収書をつけるように」と主張。自民党内にもこれを言う幹部はいますが、反対や消極的な意見も続出しています。参院選前の国会で「5万円以上」に領収書の写しを、それも資金管理団体という一部に限ってつけるように改められた政治資金規正法をめぐる再改正論議が再燃しつつあります。

 「政治とカネ」は、古くて新しい問題です。政治家がからむ汚職事件などのたびに、企業や団体からの献金、寄付をどうやって明らかにし、制限するかが繰り返し議論されてきました。そのためにできたのが政治資金規正法で、施行されて約60年になります。

 この間、収支報告が義務づけられ、いくらまでという上限も設けられました。しかし、政治家個人への企業・団体献金を禁止すると、次は政治家が組織する政治団体への寄付が問題になるなど、規正と抜け道の追いかけっこのような状態が続いてきたのです。

 今年6月にも改正は行われました。当時の松岡利勝・農水大臣の政治団体が家賃や光熱費無料の議員会館を事務所にしているのに、光熱水費507万円(2005年)と報告。自殺した松岡氏の後任、赤城徳彦・前農水大臣も実家を事務所に登録しながら多額の経費がかかったと報告していて、領収書を示すように求められても、法にないからと拒否しました。ほかにも疑問や不祥事が発覚したことで改正されたのですが、完ぺきとは言えない内容でした。「どこまで有効か」という疑問の声があがっていました。

自民党には異論や消極論続出
どう対応するのか問われる

この領収書添付の範囲と対象について、参院選で勝った民主党は、幹部が「1円以上」「すべての政治団体」にする改正案をまとめる方針を打ち出しました。

 自民党にも参院選後、「1円以上から領収書を」と言い出す幹部がいて、再改正に動き始めています。両党が互いに意識しあうように、規正強化の方向が出てきました。公明党幹部も再改正に前向きで、ほかの各党も規正強化という点でまとまるのはほぼ確実です。

 これだけを見ると、どの政党も政治資金規正法の再改正で一致しそうですが、自民党内には反対論や消極論も出ています。「事務作業が増える」「領収書をくれと言えないものもある」「切符はどうするのか」「飲み物は」など。近く予想される内閣や党役員人事で新しい幹部が決まってからやればいいとの意見も目立つといいます。そこに民主党が「1円以上」の法案を国会に提出すれば、自民党は揺さぶられ、議論がさらに熱をおびると見られます。

 ただ、民主党の力が強いのは今回の選挙で勝った参議院だけで、衆議院は自民・公明の与党が過半数を占めています。一般の法案は参議院で可決されても、衆議院で否決されれば廃案にされてしまいます。衆議院で多数の議席を持つ自民党がまとまらなければ、政治資金規正法の再改正はできません。

 問題は、選挙で示された国民の気持ちをどうとらえるか。国会議員の対応が問われています。

(高橋俊一・ジャーナリスト)

2007年8月19日


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